アルカイダが現金でスンニ派を懐柔

2010.8.7

 military.comによれば、イラクのアルカイダは、政府が仕事を与え、給与を払うのに失敗したことに怒っているスンニ派の元同盟者を取り戻すために、金を提供し始めています。

 米軍は2008年にメンバーが100,000人に達した民兵組織「サフワ(Sahwa)」を支払いました。昨年、イラク政府はサフワをアメリカから取り戻し、メンバーの20%に警察や政府の仕事を与え、残りにスンニ派地域の治安を任せました。それ以外の戦士はかつての仕事に戻っていきました。現在、イラク政府は治安部隊に同化した約20,000人のサフワを含む約650,000人を越える警察と軍の給料を支払っています。しかし、残りの公務員の戦士は、場合によっては3ヶ月間も給料が支払わていません。イラク政府は遅配の理由を財源不足や官僚主義的な障害だとしています。また、昨年、サフワの指導者の多くがテロ容疑でイラク政府に逮捕されました。多くはアメリカの圧力で釈放されましたが、これは侮辱とみなされました。アルカイダはこうした不満を持つサフワのメンバーに、ほとんどの場合で最高100ドル、あるいは250〜300ドルの間で変動するサフワの平均的な給料以上を提供しています。


 イラクのアルカイダは消滅していません。そして、今回起きていることは、私が以前から指摘してきたことです。イラク政府は必要なだけの軍隊と警察に給料を支払えないことが明らかです。生活していけないのなら、イラクの男たちは別に収入源を手に入れるだけです。犯罪組織に入るとか、アルカイダに参加するのは、ごく自然に考えられることです。イラクの石油から得られる収入は、イラクの発展のために使われるはずでしたが、多くはどこかへ消えたことが明らかになっています。

 現在、イラクでは米兵はほとんど死傷していません。しかし、いつこれが以前のような状態になるかは分からないのです。現状だけを見て、イラクの治安は回復したと考えるのは誤りです。こうした不安定な地域を、アメリカは今後も守り続けなければなりません。地上軍が撤退しても、そのつながりは終わらないのです。これはまさに、最も疎むべき長期戦なのです。

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