military.comによれば、ボブ・ウッドワード氏の「Obama's Wars」には、CIAが全員がアフガン人の準軍事組織を運用し、アルカイダとタリバン、その他の武装勢力の目標を捜索してきた事実が書かれいています。
この作戦に詳しいカブールの治安専門家は、CIAの尋問のために目標を捕まえるべく、3,000人強の部隊が2002年に設置されました。元米情報当局者は、影のアフガン部隊のメンバーは監視と長距離偵察のために使われ、米国内のCIA施設で訓練を受けました。匿名の関係者によれば、この部隊は「対テロリスト追跡チーム(the Counterterrorist Pursuit Team)」と呼ばれ、アメリカのコマンドチームが、カンダハル州(Kandahar)、コースト州(Khost)、パクティア州(Paktia)、パクティカ州(Paktika)を含む州で活動したあとで計画されました。
ウッドワード氏はさらに、この部隊が隣国パキスタンの国境地帯で、アルカイダとタリバンの隠れ家に対する作戦の一翼を担っていると書いています。パキスタンはアメリカの特殊部隊がこの地域に入ることを、限定的な訓練を除いて認めておらず、火種になりかねません。「我々はいかなる外国の軍隊や準軍事組織が、国境の内側で活動するのを認めていません」とアザル・アッバス少将は言いました。「そうした事件は何も報告されておらず、将来も起きるならば、彼らは我が軍による攻撃を受けるでしょう」。
特殊部隊を含む米軍は、アフガンとパキスタン国境の両側で、武装勢力の強化された取り締まりにおいて、CIAと共に活動してきました。CIAによる無人機の攻撃はパキスタン領内のアフガン人のタリバン、ハッカニ・ネットワーク、アルカイダの指揮官に対して行われ、特殊部隊の作戦はアフガン側で、中堅幹部に対してアフガン軍の特殊部隊と合同の急襲を行ってきました。CIAが運営するアフガン人の準軍事組織が米軍の特殊部隊と共に活動するかは不明です。しかし、専門家は部隊がNATO軍と活動を調整していると言います。
元当局者は、アフガン人の部隊が昨年、誰が作戦を統括するかで、CIAと軍との縄張り争いの争点になり、依然としてCIAが組織を指揮していると言います。米当局者は、部隊が高度に訓練され、その急襲は「安定化と治安に大きな貢献をした」と言います。
メンバーの1人が逮捕されたとき、カンダハルにいるこの部隊は、2009年に警察本部長を殺害して訴えられました。米当局者は、この事件は完全に調査されていると言います。当局者は、事件は部隊を象徴しておらず、準軍事組織は彼らのライバルによる仲間への不当な逮捕と見たものへ反応したと言いました。
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この影の軍隊の存在は、かなり意外です。約3,000人を運営するには、かなりの費用がかかります。これらの部隊は小分けされ、少人数で行動するのでしょうから、大規模な演習は必要がありません。それでも、大変な作業が必要です。
また、米軍式の戦術はイスラム教徒には苦手だと、私は考えてきました。以前に見たテレビ番組で、イラク人に米軍が市街戦の戦術を教えていましたが、まったくぎこちない動きでした。また、少人数で独立して活動する場合、隊員に強い意志と技量が必要になります。地図を頼りに徒歩で山中を移動し、作戦を実行して、迎えのヘリコプターを無線で呼び寄せる程度の能力が必要です。そこまでアメリカに忠誠心を持てるアフガン人とは、一体どんな人たちなのかという疑問が湧きます。かつてアフリカで傭兵部隊が編成されたとき、荒くれが集まったものの、信用できないので指揮官が目を離せなかったという話があります。イラク軍を新設する時、始終、脱走兵が出たという事実もあります。なぜ、CIAの部隊だけ、こんな難しい作戦をこなせたのでしょうか?。
そこで出てくる結論が、米当局者が言う成果は自己満足ではないのかということです。もし、本当に成果を収めているのなら、アフガン情勢はもっと好転していたはずです。アメリカは常に対武装勢力戦で、敵の中に味方を作り出そうとします。そして、失敗を繰り返してきました。今度もそうなる気がします。
とにかく、この本を読んでみたいですね。
ウッドワード氏の著作は、過去にも、このように軍事活動を詳しく報じてきました。このように、アメリカでは第一線のジャーナリストが、ごく普通に軍事問題に深く立ち入った記事を書きます。アメリカ自体が軍事問題を多く抱えているので、この問題を避けて通れないのです。日本では軍事問題を扱うのは、それ専門の人で、一般の記者はそこから離れていようとします。しかし、その結果、軍事問題に関して、的外れな意見が散見されることになります。