アフガン軍に初の女性将校が誕生

2010.9.24

 military.comによれば、アフガニスタン軍に初の女性将校が誕生しました。

 25歳のミーナ・シャリフィ(Meena Sharifi)は「私は常にANA(アフガン軍)の一部でありたいと願っており、この制服を着るのは誇りです」とカブール郊外の陸軍訓練センターでの卒業式で言いました。「私は祖国を敵から守りたいのです」。女性は武装勢力との戦いの前線には送られず、主に管理上の仕事をする予定です。アフガン軍は、昨年11月の97,000人から136,000に増加しており、2011年10月までに171,000人に達する予定です。2014年までに、外国部隊から治安権限を移譲されることになっています。


 これはアフガン軍の象徴的な出来事です。アフガン軍の戦力が増強されるわけではありませんが、男性中心の社会で、女性が軍の一翼を担うことになったのです。タリバンにとっては受け入れがたいことであり、前線に出すことは危険すぎます。

 今後、女性隊員がどれだけ増えるかにより、アフガン社会へ与える影響の度合いが決まります。アメリカですら、第2次世界大戦頃までは、女性は夫の所有物に近く、経済的にも自立していませんでした。それが戦争がはじまると、出征した男性兵士の職務を埋めるために、女性兵士が誕生し、それによって女性の経済的自立が促進されました。実は、戦後のウーマンリブ運動は、こうした事情を背景にしていました。アフガン軍に女性兵士が増えれば、これに似た変化がアフガンで起きるかも知れません。

 タリバンの価値観から言うと、人間は誘惑に弱いのだから、女性は夫以外に姿を見せず、家の中にいるのが当たり前です。家の窓にはカーテンを張り、家の中にいる女性が外から見えないようにしなければならず、それは家長である男性の責任とされます。タリバンが戦闘をするとき、女性や子供が弾薬を戦士のところに運ぶのは認められますが、軍服を着て、軍務につくことは許さないでしょう。だから、女性兵士たちが、タリバンのテロに遭う危険は常にあります。そこが少し気がかりですが、とりあえずは、変化の兆しとして歓迎すべきでしょう。



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