military.comによれば、ハミド・カルザイ大統領(President Hamid Karzai)がアフガニスタン南部に送った代表団は、4月に始まったカンダハル掃討作戦、オメイド作戦(Operation Omaid)に起因する損害が1億ドル以上あると発表しました。
ISAF広報官ヨセフ・ボルツ准将(Brigadier-General Josef Blotz)は、まだ声明を見ていないのでコメントできないと言いました。
代表団が発表したことを以下にまとめます。
「軍事作戦オメイドの結果として、重要な物的損害がカンダハル州のアルガンダブ(Arghandab)、ザリ(Zahri)、パンジャワイ(Panjwayi)の各地区の人々に起こりました」「この作戦は収穫期に開始され、資産と農作物に起きた損害は1億ドル以上です」「軍隊は未知の理由のために多くの家、果樹園を破壊し、多くの人々が移住を余儀なくされました」「多くの家を破壊するだけでなく、多くの果樹、葡萄を乾燥させる家、果樹園の壁も壊されました」
カンダハル州の経済は農業にかなり依存しており、ザクロ、葡萄、小麦で有名です。カンダハル州の広報官ザルマイ・アヨウビ(Zalmai Ayoubi)は、武装勢力がIEDを廃屋や果樹園に仕掛けたので、兵士には破壊する選択肢しかなかったのだと言いました。外国部隊は地元当局者に、村民たちには被害評価が済んだら補償を行うとアヨウビ広報官は付け加えました。代表団はカルザイ大統領にNATO軍にこの問題をあげ、解決を見つけるよう主張しました。
被害金額が非常に大きく、農村地帯でばかり被害が出ていること。被害が起きた場所がすべてカンダハル市の西側にある地域であること。これらから、カンダハル掃討作戦は目標の場所の西側でだけ行われ、市街地には入れていないことが分かります。
この調子では、春まで作戦を続けても市街地の確保は難しいでしょう。どのマスコミも、このごく単純な予測を報じようとしません。世界全体が都合の悪いことから目を背ける時代です。そんな面倒を考えるよりは、テレビではスポーツの試合や歌番組を見た方が楽でしょう。兵士たちも与えられた役目だけこなして、あとはDVDでも見ているわけです。誰も戦争の行く末を考えないのに、戦闘だけは続いています。