米空母内で不適切なビデオが制作

2011.1.2


 military.comによると、航空母艦エンタープライズ(USS Enterprise)の艦長オーエン・オーナーズ大佐(Capt. Owen Honors)が隊員に猥褻なビデオを制作させていたことが明らかになりました。

 ビデオのあるシーンでは、女性の水兵2人が空母のシャワールームに立ち、お互いを洗うふりをしています。別のシーンでは、水兵が女装して行進し、同性愛差別の中傷を行い、マスターベーションと肛門検査の真似をします。別のシーンでは将校が彼の個室でロバとセックスしていることをほのめかします。これらは2006〜2007年にエンタープライズ船上で制作されたショートムービーの一部で、6,000人の水兵と海兵隊員に放送されました。これらのビデオは政府の設備によって撮影・編集されました。当時、オーナーズはこの空母の副長で、5月に艦長になりました。ビデオの中で、オーナーズは彼が乗員を楽しませようとしていることを示します。これらは週に1回程度、艦内だけに回線につながるテレビで見られました。

 ある水兵は今週、海軍の監察官にビデオに関する不満をメールで送ったと言いました。2007年前半に空母打撃群の指揮官がビデオの内容が不適切なことに気がつき、ビデオ制作は終わりました。海軍は事件を調査する予定です。


 長い記事ですが、時間の関係でここまでにします。

 対テロ戦真っ盛りの最中、エンタープライズの中では、退屈しのぎにビデオ制作に熱中していたようです。米海軍は、これがYouTubeに流出しなかったことを幸運に思うべきでしょう。

 空母の勤務は大変だと言いますが、もう少し健全な楽しみを見つけるべきです。乗員には若者が多く、どうしても学生ネタのギャグが受けがちです。しかし、将校には若者の悪ふざけが過ぎた時に戒める役目があります。それを逆に煽ってしまった点で、オーナーズ大佐には問題がありました。部下から見れば話の分かる上官だったかも知れませんが、艦船は隊員の私物ではないのです。

 軍事上の事件とは言えませんが、本件は米海軍のサブカルチャーを知る上で役に立ちます。こうした軍隊の側面を知っておくと、別の大きな事件の背景を考える上で役に立つことがあります。



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