military.comによると、中国はウクライナ共和国から購入した「ヴァリャーグ(Varyag)」を修復し、最初の航空母艦を試運転させる主要な措置を講じました。
香港を拠点とする「漢和防務評論(Kanwa Asian Defense magazine)」は、修復工事はすべての居住・作業区画、エンジン、航法システム、発電機を含むと報じました。さらなる作業がエレベーター及びフライトデッキで必要ですが、修復作業が完了したかどうかは不明です。
米国防総省は、船がパイロットを訓練する基盤としていつでも再始動され、中国軍の広範囲な近代化運動の中での大きな転回点となると予測しています。中国は1998年に建造中止にされた空母を買い、全面的な修理のためにエンジンと舵のない船を大連に曳航しました。漢和防務評論は、内部システムの作業は約4年間かかったと言いました。完全な修復作業は船を完全に機能させ、中国の未来の空母を造る技術者を訓練することを目的としています。漢和防務評論は「これは巨大なプロジェクトで、真新しい空母を建造するのと同じと言ってもいいくらい複雑です」という匿名の大連地区の軍事産業筋の言葉をあげました。
ヴァリャーグは排水量55,000トンのスキージャンプ型の空母で、日本を拠点とする排水量100,000トンのジョージ・ワシントン(George Washington)よりもかなり小型です。秘密主義の中国軍は空母について、中国は将来そのような船を持つだろうという曖昧な声明以上のことを述べていません。中国は空母に離発着する自家製のJ-11だけでなく、ロシア製の艦載戦闘機Su-33を購入していると考えられています。
漢和防務評論の報道を確認する報道はありません。漢和防務評論は非常に信頼できる情報筋として知られます。先週、中国のステルス機の試作機がテスト飛行したことを報じました。
中国はこの空母を技術的な基盤として活用し、2015年から自前の空母を建造する計画といわれています。中国はもっと大きな空母を造る計画で、ヴァリャーグを参考にして、大型の空母を設計するつもりのようです。空母を丸ごとコピーするというのは、中国らしい話です。
Google Earthで大連港を見ると、乾ドックで改修中のヴァリャーグを確認できますが、2009年の写真のままなのであまり参考にはなりません。
記事が本当なら、海に出す準備はできたことになります。しかし、内部を一部壊してあった船を修復したことから、実際に航行するまでにはまだ試行錯誤があるでしょう。北朝鮮と違って、中国は近い将来崩壊する可能性はありません。すぐではないにしろ、彼らはいつか空母を完成させるはずです。そのためにも、ヴァリャーグの情報は収集しておかなければなりません。
ロシアからのSu-33購入は失敗したと聞いていましたが、この記事では購入済みと報じられています。ロシアにすれば、中国が空母を持っても、直ちに自国が脅かされるわけではありません。条件が合えば、Su-33を売却する可能性はあります。空母でロシアを侵略することはできませんし、仮に空母の艦載機がロシア領内を攻撃したとすれば、適当な場所を選んで報復攻撃を行えば済む話です。中ソ国境は広大で未開拓です。そのすべてで戦端を開くことはできません。それ以上に紛争は進み得ないので、中国にとっても益のないことなのです。
ヴァリャーグの就航に成功したら、中国が空母にどのような資材を搭載していくかがポイントになります。それらが船の防衛力を決定します。