military.comによれば、海軍艦艇に搭載するミサイル迎撃用のレーザー兵器の開発で躍進がありました。
1980年代から海軍研究局(the Office of Naval Research)には、こうした兵器を開発する考えがありました。目標はメガワット(百万ワット)のレーザー兵器を作ることです。
先月、ロスアラモス国立研究所(the Los Alamos National Lab)で、科学者はメガワット級のレーザービームを生み出すのに必要な電子を作るデモンストレーションを行いました。
「今のところ、我々のモデルを支持する証拠はありません」と、自由電子レーザー・プログラム(the Free Electron Laser program)の上級リーダーのディン・グエン(Dinh Nguyen)は言いました。
自由電子レーザーは、一連の強力な磁場を通るインジェクターで作られた高エネルギーの電子が通過することで働きます。その結果はレーザー光線の強烈な放出です。
「FELは未来の米海軍に、世界中のいかなる洋上の環境においても、ほぼ即時のレーザー艦船防衛を提供すると期待されています」と海軍研究局のプログラムマネージャー、クェティン・サルター(Quentin Saulter)は言いました。
11月のWired.comとのインタビューでサルターは、レーザーがセンサーやトラッカーとして、通信や目標の指定と分断のために使えるとも言いました。
自由電子レーザー計画は海軍研究局で科学技術計画として1980年代に始まり、トーマス・ジェファーソン国立加速器施設(the Thomas Jefferson National Accelerator Facility)で開発された14キロワットの試作機へ成長しました。
100キロワットの試作機について昨年始まった作業は、メガワットのレーザーという海軍の目標に、計画をより近づけました。
12月の飛躍的進歩は研究者を予定の9ヶ月先へ置きました。
海軍が自由電子レーザーを装備するのには、まだ長い道があります。海軍研究局が最も早く洋上でレーザーのテストを希望するのは2018年です。
明日、更新できないかも知れないので、今日やっておきます。
自由電子レーザーについて海軍研究局が解説したビデオがあります(ビデオはこちら)。
この記事で分かるのは、メガワット級の自由電子レーザー兵器はまだどこにもなく、開発のコンセプトが完成したので、具体化する作業がスタートするということです。これは中国の東風21Dに対抗し得る兵器です(関連記事はこちら)。どちらが先に実戦配備されるかは微妙なところです。しかし、アメリカはこうしたレーザー兵器のために、東風21Dについて大きな危惧を抱いてはいないと考えられます。化学物質を使うレーザー兵器による攻撃実験はすでに成功しており、自由電子レーザーも出力の問題をクリアできれば、あとはそれほど難しい課題はないはずです。