ウガンダ派遣は情報収集のため?
military.comによれば、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領(President Yoweri Museveni)が、神の抵抗軍(LRA)と戦うためにウガンダに送られる米軍「要員」は実際には戦闘には参加しないだろうと言いました。
ムセベニ大統領は土曜日に、アメリカがLRAとその指導者、ジョセフ・コニー(Joseph Kony)と戦うために兵士を送ったというのは間違いだと言います。「彼らは兵士ではなく、要員と呼ぶべきです」と大統領は言いました。アメリカ人たちは情報収集を手伝う、と彼は言いました。「彼らを兵士と呼べば、彼らが我々のために戦うために来たことになります」「我々は兵士が我々のために戦うために来るとは決して言いません。私は外国の兵士がやって来て、私のために戦うことを受け入れません。我々は我々の戦争を戦う能力を持っています」。ムセベニ大統領は土曜日に、偵察衛星の情報を共有し、ヘリコプターで援助することを含めて、アメリカはすでにコニーとの戦いを支援していると言いました。
LRAはかつてウガンダの北方で戦いましたが、国から締め出されました。LRAは現在、南スーダン、コンゴ、中央アフリカ共和国で活動しています。コニーはもはやLRAの各部隊に支配権を持たないといわれます。LRAは200〜400人の戦闘員を持つと推定され、孤立した村への攻撃を行います。
これで派遣数が100人という中途半端な数字であることが分かりました。特殊部隊は内情を公表しないことが常で、100人の隊員の内訳が分からないため、昨日紹介したように専門家に疑問を湧き起こしたのです。ヘリコプターを使った偵察やLRAの活動の評価、それらに基づいたウガンダ軍の訓練などを行うのが主任務のようです。そのための要員を考えると、特殊部隊お得意の長距離偵察までの人員はいないように思われます。
先だって、産経新聞が誤訳して、イギリスのSAS隊員22人がリビアに派遣され、カダフィ大佐の行方を追っていると報じました。本当は22人ではなく、第22SAS連隊が派遣されていた訳ですが、22人ならカダフィ大佐の行方なんか追跡できません。常識的に考えても無理だと気がつかなくてはいけないことです。映画「ランボー」の影響で、特殊部隊の実力は過剰に世間に紹介されています。また、100人には米軍だけでなく、CIAの分析官も含まれていると想像します。
こうした部隊を南スーダン、中央アフリカ共和国とコンゴ、つまりLRAの活動地域に展開するということは、これらの国が共同して神の抵抗軍を掃討するための手伝いをアメリカが行うということです。各国がバラバラにやるのではなく、情報を一本化し、挟撃を可能にして、LRAを殲滅するという構想です。これで、今回の派遣の目的が見えてきたという感じがします。ようやく、任務の成功を祈る気持ちになってきました。
|