議会報告書:アフガンの治安が改善
military.comによれば、金曜日に公表された米国防総省の経過報告によれば、アフガニスタンでは治安の改善があるものの、パキスタンの隠れ家から来て活動する武装勢力とアフガン政府の慢性的な問題は多くの危険をもたらしています。
報告書は「期間中(過去6ヶ月間)に得られた治安はアフガン政府への治安責任移のために確固たる基盤をもたらしました」と言いました。「武装勢力は弾力性があり、パキスタンの隠れ家によって活動でき、(全土で、特に東部でアフガン軍と)戦い続けています」と半年ごとの議会への報告書は言いました。
報告書は、広範な汚職、改革の遅れと政治的な闘争を含めたアフガン政府の慢性的な問題を、アメリカと同盟国がカブールに国の治安を委譲するための障害として認めました。
アメリカは約100,000人の軍隊をアフガンに置いており、ほとんどの部隊を2012年9月末までに帰国させる計画です。オバマ大統領はこの夏に10,000人の兵士を今年末までに再派遣すると発表しました。オバマが増派した33,000人は2012年9月末までに出国し、68,000人が残ります。
「委譲は進展を狙った武装勢力の努力は示されず、順調なままです」と報告書は言いました。
全般的に、報告書は軍戦略とその将来の見通しに上向きの評価をしています。最初の数年間は、報告書は「もろく、反転し得る」としてアフガンの進展を表現しませんでした。
匿名を条件に話した国防当局者は、アメリカと同盟国は更なる注意を東部の国境地帯へ向けていると言いましたが、詳細は提供しませんでした。
4月の最後の経過報告は、パキスタン政府がアフガン国境の武装勢力の隠れ家を取り締まるのに失敗したことについて、こうした武装勢力が利用できる隠れ家が米軍に最大の脅威になっていると、過去の国防総省の報告をより批判的な調子で攻撃しました。
報告書はアフガンとパキスタンの関係は早くから良好になったものの、いくつかの出来事がそれらの重圧になったと言いました。特筆すべきは5月2日のオサマ・ビン・ラディンの死をもたらした米軍のパキスタン深部での急襲でした。
越境攻撃は8月に減少しましたが、カブールの米大使館への攻撃を含め、注目を浴びた9月の攻撃は重大な妨害でした。
報告書は、これらの攻撃は「ハッカニ・ネットワーク(the Haqqani network)が実行し、パキスタンの隠れ家と支援により直接的に可能になったと言いました。
アフガンで軍事作戦の指揮を執る米陸軍のカーチス・スカパロッティ中将(Lt. Gen. Curtis Scaparrotti)は木曜日に記者に対して、攻撃は過去の年よりも4倍多く起きていると言いました。
記事はこのあと、アフガンとパキスタンの不和についての説明へと続きますが、これまで起きたことと同類の事柄の繰り返しのように思われるので省略しました。
報告書の内容は、この記事に書いてあること以上には分かりませんが、あまり信頼できるものではなさそうです。特に改善されたと判断できる大きな出来事がないのに、改善を主張しているわけですから、どこに根拠があるのかが分かりません。スカパロッティ中将の攻撃が4倍になったという発言も、報告書の信憑性を失わせています。
すでにアメリカはアフガンから逃げ出す態勢に入っているのです。報告書を飾り、成功を収めたことにして、綺麗に撤退するのです。誤った戦略により、安直に海外に部隊を派遣することが、いかに重大な結果をもたらすか。アメリカは肝に銘じるべきです。同じ失敗を再び繰り返さないように、この戦いの記録は長らく保存されるべきです。ブッシュ政権の悪しき遺産を少しでも減らし、アメリカの防衛体制をより健全にすることこそ、オバマ政権に求められている政策です。
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