米海兵隊はM4小銃に固執
military.comによれば、米海兵隊はM16A4とM4小銃を更新する場合でも陸軍に追随するつもりはありません。
ジョー・ウィルソン下院議員(Rep. Joe Wilson)は下院軍事委員会の戦術陸空軍小委員会で海兵隊の小銃計画について質問しました。「海兵隊はM4及びM16小銃を新しい小銃へ更新する予定ですか?。そして、新しい小火器のための現在と将来の海兵隊の戦略は何ですか?」。ウィルソン下院議員は新しい陸軍の競合相手である銃砲メーカー「FN Manufacturing LLC」を含む地区の選出です。
6月に陸軍は「Colt Defense LLC」が製造するM4に替わり即納できる小銃の提案を提出するようにベンダーに依頼しました。その欠点にも関わらず軍がM4に傾倒する事に対する議会の注視に直面し、陸軍高官は2008年11月に新しい小銃のコンペティションを行うと最初に計画を発表しました。しかし、海兵隊は新しい歩兵用兵器に金を費やす計画はないと決定しました。「(M4)小銃の代用はありません」と海兵隊のダニエル・オドノヒュウ准将(Brig. Gen. Daniel O'Donohue)は言いました。「歩兵用兵器を厳しい目で見ると、それにはいくつかの面があります。どうやって海兵隊員を訓練するか?。使う弾薬は何か?。そして武器それ自体です」「我々はプロファイルに合致した最もコストのよい方法はM16A4の改善だと信じます」。
海兵隊の新しいM27歩兵自動ライフル銃はヘッケラー・アンド・コッッホ416のピストン駆動版です。海兵隊は当初、M27を将来の歩兵用兵器にと考えましたが、いまは現在の兵器の改善で満足しています。2012年2月初めに、海兵隊の歩兵分隊はM249軽機関銃を精度の高いM27に更新します。今年初めに、海兵隊は450丁のM27をアフガニスタンに向かう5個歩兵大隊に配備しました。2013年4月までに4,000丁以上のM27を配備完了します。
以前からM4小銃の問題は言われていて、当サイトでも繰り返して問題点を指摘してきました。当サイトを 「M4」というキーワードで検索すると、沢山の記事が見つけられます。
M27(公式サイトはこちら)は形がM4小銃に近く、歩兵の標準兵器としても使えます。性能も有効射程、連射速度がほぼ同じで、より遠くを撃てて、連射速度が早いM249に置換することは少々疑問でもありました。これら3種の銃はいずれも同じNATO弾(口径5.56、薬莢長45mm)を使います。銃身がより短いM4は、火薬が燃え尽きる前に銃口から出てしまい、火薬が作り出すエネルギーをすべて利用できていないと言われてきました。
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1分間の連射弾数 |
有効射程 |
銃身長 |
M4 |
700〜950発 |
500〜600m |
370 mm |
M27 |
560〜640発 |
600〜1,000m |
420 mm |
M249 |
750〜1,000発 |
910〜1,000m |
465 mm |
M27とM249は分隊支援火器として使われており、歩兵が持つM4の火力をより強力な銃器で支援する役割を負っています。しかし、M27は歩兵の標準兵器としても使える能力を持っています。それでもM4に固執する理由として、予算があげられた点が興味深いところです。陸軍は長くM4を支持してきましたが、繰り返し米議会で、兵士から報告される欠点が問題視され、ついに新銃への置換へ動きました。
海兵隊は地上戦が任務という点で陸軍と共通しています。しかし、海軍に所属して、常に海外で行動する点で、議会とは密接な関係を維持してきました。今回の決定は予算不足もあるでしょうが、陸軍とは一線を画したいという海兵隊のプライドが関係しているように思えます。これに対して、M27に全部置換して欲しいという声が海兵隊員から出てくるのかが興味深いところです。
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