籠城事件のお恥ずかしい背景
military.comが昨日紹介したシュリーファー空軍基地(Schriever Air Force Base・kmzファイルはこちら)の籠城事件の犯人について報じました。
犯人の名前はニコ・クルツ・サントス(Nico Cruz Santos)、21歳です。サントスはデンバー西のグリッペン郡(Gilpin County)で児童の性的搾取未遂で有罪を認め、禁固18ヵ月を求刑され、12月16日に判決を受ける予定です。サントスは2010年にインターネット上のおとり捜査で逮捕され、司法取引で有罪を認めました。サントスは裁判の件で、デスクワークに配置されていました。
個人用の武器は基地では禁じられています。軍人と民間人両方とも、基地に入る際に保安チェックを受けなければなりません。
空軍は籠城事件でサントスが民事、軍事どちらの法廷に起訴されるかは言いませんでした。
サントスは空軍に2年9ヶ月所属しています。
記事を読み終わった時には脱力感しかありませんでした。絵に描いたような駄目男、サントスの叛乱だった訳です。
しかし、これで米軍基地の警備状況が少し分かりました。GPS制御を行う重要な基地の警備でも、籠城に対する武力介入ができる警備兵はおらず、警察のSWATに頼るしかなかったわけです。つまり、警備は入口での危険物チェックやフェンス沿いの巡回くらいしかなく、突入に必要な防弾ベスト・ヘルメット、閃光手榴弾などの装備はないということです。基地の内部からの攻撃には、米軍基地も脆弱だということです。フォート・フッドの乱射事件でも最初に対処したのは警察官でした。今後、基地自体にこうした事件に対処する能力を持たせるように、米軍基地の警備のあり方が変わる可能性がありそうです。高校での乱射事件が起こった時、米警察の中には一般の警察官にSWATの能力を持たせたところがありました。その事件はSWATが現場に突入する前に犯行が完了し、犯人は自殺もしていたからです。
警察が介入したことにより、裁判の管轄も判断が難しくなったようですが、おそらく、サントスは軍事裁判で裁くことになるでしょう。
あとで別の記事も紹介したいと思っています。
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