中国がアメリカのアジア連携政策を批判
military.comによれば、中国国防省はオーストラリアとアメリカの軍事条約の強化は、アジア太平洋地域を不安定にする「冷戦的な発想」の産物だと言いました。
月例記者会見での国防省広報官、耿雁生(Geng Yansheng)は「軍事同盟は歴史が作ります。我々は軍事同盟を強化、拡大するすべての動きは、平和、はテント協力の時代に対抗する冷戦的思考の産物だと考えます」と言いました。
こうした批判に関わらず、中国とアメリカの国防当局者はそれでも12月7日の中国人民解放軍の副参謀長、馬曉天大将(Gen. Ma Xiaotian)と米国防次官ミシェル・フルールノア(Michele Flournoy)協議を行うと言いました。
馬大将はそれから中国・インド防衛安全協議のために、12月9日にニューデリーへ行くと耿広報官は言いました。
バラク・オバマ大統領がオーストラリアを訪問中に発表されたアメリカとオーストラリアの合意は、軍用機と海兵隊員2,500人をアジア全域のアメリカの利益を守る訓練拠点のためにオーストラリア北部に派遣します。
外務省が出した北京の公的な反応は、その適切さについて中程度の疑問でした。
中国の強硬派は、日本、フィリピン、旧敵のベトナムとの軍事的つながりを強化する最近のアジアにおけるアメリカの動きを、より活発な外交を通じて抵抗しなければならない新しいアメリカの封じ込め政策と呼びました。
こういう公的な声明は国内報道でも読めるので、普段はあまり取り上げていません。しかし、今日はこの声明が興味深く感じられました。
イージス艦もどきや空母もどきを開発しようとして、盛んに活動を続けている中国国防省にとって、アメリカのこうした動きは面白くないものなのでしょう。新兵器を開発しても、アメリカの簡単な配置換えによって、その効果が無になるようでは中国は困るわけです。太平洋側でアメリカに封じ込められると、ロシアがその動きに乗れば、完全に挟撃される形にされます。さらにはモンゴルも親日国ですから、こちら側につきかねません。よって、こういう状況での中国の戦略はロシアを少なくとも中立の立場に置くことです。できるなら、こうなる前に状況をコントロールできるものにするのが中国の最善策です。
中国としては東アジア沿岸の浅い海域から、太平洋の深海へと活動拠点を延ばしたいのです。日本はこうした中国のパワーゲームに巻き込まれる位置にあります。現在の中国軍では目的は達成できないでしょうが、数十年後には十分な戦力を持つようになっているかも知れません。
そうした時代を生き抜くための知恵が日本の政界にあるのかが疑問です。票につながらない防衛政策には知恵者がおらず、防衛政策と言えば、アメリカが言うとおりにやるだけなのです。国民もそれを容認しており、マスメディアも同様です。小泉純一郎が自衛隊をイラクに派遣するのを決めた時に、日本国民が乗り気だったことがそれを明確に示しています。情けないことに平和を心から望み、体現しようとする人物は日本にはいないのです。
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