元米当局者が捕獲されたRQ-170を本物と確認

2011.12.10

 JNNがイランが捕獲したと主張するRQ-170を米当局者が本物だと認めたCBSテレビが報じたと報じました。引用元の記事には「米当局者はCBSニュースに、今日イランのテレビで見られたのはアメリカの航空機、それどころかこの国の最も洗練されたスパイ機の一つだという『高い確証』がありますと言いました。(元記事はこちら

 ワシントン・ポストの記事は、元米当局者がAP通信にビデオ映像の中の無人機がイラン上空で失われ、アフガンの米軍が行方不明だと報告したものだと確認しました。航空機の左翼は壊れて、修復されたようでした。イランの通信社「Fars News Agency」によれば、革命防衛隊のアミル・アリ・ハジザデヤ准将(Brig. Gen. Amir Ali Hajizadeh)は最近、彼の部隊がスパイ機がイラン上空で活動中だという情報を得たと発表しました。「国土の東部領域に進入した後、航空機は軍による電子的な待ち伏せに引っかかり、最小限の損傷で地上に降ろされました」と彼は言いました。彼はこの機の翼の長さが約26m、胴体の長さは4.5m、高さは1.84mで、電子的、視覚的、通信情報を集める先進的システムと様々なレーダーシステムを備えていると付け加えました。


 米国防総省がコメントを避けている間に、元米当局者らが報道機関にビデオに見られる無人機は本物のRQ-170であると証言したようです。元米当局者はおそらく、CIAか空軍の要員で、無人機を扱う部署にいた者たちです。私や米専門家の予想をまったく裏切る結末です。

 昨日、military.comが指摘した翼の反り返りの相違点は、着地の際に機体が変形したためかも知れません。

 この無人機がどのようにして降下させられたのかは不明です。撃墜したにしては損傷が小さすぎます。あるいは機体に命中した機銃弾がエンジンを停止させ、機体がグライダーのように滑空して着地したのかも知れません。ハッキングによる遠隔操作での着陸だったとすれば、無人機の技術はすでに過去の遺物になったということができます。また、高空を飛ぶと言われている無人機が無傷で捕獲されたことは、かなりの低空を飛んでいたことを連想させます。低空を飛ぶので地面の色に合わせて機体がクリーム色(ベージュ色?)に塗られたのかも知れません。

 ハジザデヤ准将が電子的な待ち伏せに引っかかったという述べている点は重要です。イランはすでに無人機を探知する技術を開発したということだからです。無人機の優位性は比較的簡単に、短期間で破られたことになります。この防空技術は常に成功するものなのか、今回たまたま成功したものなのかが気になります。

 また、無人機が離陸する場所をイランが監視している可能性も考えてしまいます。アフガニスタン人のエージェントを雇い、飛行場から無人機が離陸するのを監視させているかも知れません。それによりイランが探索を強化し、探知に成功したのかも知れません。

 米国防総省は、この事件を受けて、無人機の仕様を変更するでしょう。開発中の機能を急いで実戦機に搭載しようとするかも知れません。そうして、議会に手を打ったと報告して、計画の存続を図るのが常のことです。



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