エジプト軍もデモ隊を拷問

2011.2.18


 military.comによれば、人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、ムバラク政権最後の日々に、エジプト軍が人々を拷問していたと言いました。

 18日間の反乱の間の拷問は、鞭打ちと電気ショックを含み、ある抑留者は服を脱がされ、逆さまに吊されて水の入った足の中に落とされたと言いました。ムバラク大統領が失脚した後でエジプトを支配した軍は「拷問やその他の抑留者の虐待を終わらせなければならず、我々は現在それが軍隊の管理の下で行われていたことを知っています」と、地域の理事マルコム・スマート(Malcolm Smart)は言いました。

 カイロとアレキサンドリアの間にあるガルビヤ行政区出身の29歳の元抑留者は、2月3日にタハリール広場に近いエジプト古代博物館の別館で、兵士によって服を脱がされました。兵士たちは「私を鞭打ちし、靴で私の背中と手を踏みました。彼らは私を蹴りました。そこにいる多くの抑留者もムチで打たれました」。後に匿名の抑留者は椅子で殴られ、意識不明になり、翌日別の場所に移されました。そこで彼は殴られ、電気ショックを受け、カイロ北東にある軍刑務所に連れて行く前に強姦すると脅されました。彼は軍刑務所で2月10日に釈放されるまで、定期的に兵士に殴られました。

 カイロ出身の18歳の学生も2月3日に逮捕されました。「彼らはチェーンやロープで私の脚を縛り、私の頭が垂れるように吊り下げました。時々、彼らは私を水で満たした樽の中に下ろしました。彼らは私がイスラエルやイランで訓練を受けたと自白するように言いました。彼らは私の身体に電気ショックも行い、私は失神しました」。


 中東と北アフリカ全域で表現の自由を推進する「アラビア人権情報ネットワーク(Arabic Network for Human Rights Information)」は、軍隊が未だに大勢の人々を拘束したままで、彼らの人数の情報はまだ完全ではないと言いました。


 以前に、兵士がデモ隊と格闘して、人を戦車の中に連れ込んだという記事を見ましたが、このようにして人々が逮捕されたのかも知れません。エジプト軍は国民の味方だという見方が強い中、彼らが拷問を行っているという情報は驚きですが、過去の歴史を考えると、それほど不思議ではないという気もします。抑留者がどんな理由で逮捕されたのかが問題です。特に理由がなく逮捕されたのなら、ムバラク政権下のやり方と変わりません。多分、アメリカ政府から釈放するよう要求が出されることになるでしょう。



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