囚人殺しの兵士は精神病?

2011.2.2
追加・修正 同日17:35


 military.comによれば、昨年10月にアフガニスタンで拘束されたタリバン兵を殺した件で起訴されているデビッド・ローレンス上等兵(Pfc. David Lawrence)は事件当時、統合失調症とPTSDにかかっていたと軍医が言いました。

 しかし、彼の父、ブレット(Brett)は、検察官は息子を軍事裁判にかけることを望んでいると言いました。ローレンス1等兵は第4歩兵師団、第1旅団戦闘団に配属されています。

 非常に短い記事で、軍医の名前も書かれていません。昨年12月にはローレンスが精神病院に移動された記事が報じられています。ブレットはその施設がコロラド州の中にあることは分かっているものの、名称や街を知らないと言いました。(記事はこちら

 事件は10月17日に起こりました。20歳のローレンスはアフガン南部の米軍前線基地で独房に監禁されていたタリバン兵を銃殺しました。有罪判決が下ると、彼は死刑か終身刑になります。

 ローレンスは事件当時と事件後に、抗鬱剤や睡眠障害用の他の薬を用いていました。陸軍の軍医は統合失調症用の別の薬を与えたと、彼の弁護士、ジェームズ・クルプ(James Culp)は言いました。陸軍の軍医が公式にローレンスを統合失調症と診断しているかは不明ですが、ブレットは息子が発砲の前に家族に声が聞こえると言っており、彼の家族には他にも統合失調症の者がいると言いました。「我々は非常に安心しました」とブレットは言い、息子が助けを必要としていると言いました。

 ローレンスは事件当時、囚人の警護に配備されていました。陸軍の検察官は、ローレンスを敵を殺すと決意した狂信者であり、精神病を装っていることを示唆しました。クルプ弁護士は、ローレンスが事件前に従軍聖職者を含む2人の戦友が死んだことでひどく脅えており、抗鬱剤と睡眠薬を処方されていたと言いました。また、彼はローレンスが精神衛生の医療提供者から部隊へ返されたとき、必要な治療や監督を受けずに通常の勤務よりも長い警護任務にあてられたと言いました。


 軍医がローレンスを統合失調症と診断したことで、有罪判決の可能性はほとんどなくなりました。

 診断の根拠は示されていませんが、医療部隊は仮病を含め、兵士の精神病には精通しています。この診断は陸軍の最高位の軍医が見ても妥当と考えるような内容のはずです。

 軍医が見逃した決定的な証拠でもなければ、陪審員は軍医の診断を尊重するでしょう。証人は診断した軍医と被告の家族で十分です。検察官がどんな方法で被告が正常だと証明するつもりかが気になります。それは犯行の様態かも知れませんが、あまり強力な証拠にはならないでしょう。



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