装備品の重量で兵士に健康被害

2011.2.21

 military.comによると、陸軍の兵士が重たい装備品で身体を痛めているようです。長い記事なので、冒頭部分の要点だけを紹介します。

 イラクで軍務についたジョセフ・クロニガー技術兵(Spc. Joseph Chroniger)は、70~80ポンド(約31.8~約36,3kg)の装備品を持ち運び、常に肩が痛んでいました。2年後に帰国すると、彼は首の脊椎骨が退化性関節炎により骨棘(こっきょく・骨の一部が骨端部付近で棘状に突出したもの)になっていると診断されました。

 2001年に、陸軍科学委員会の研究は兵士が運搬する重量が機動性を減少させ、疲労と怪我を増やすことを指摘し、兵士はいかなる時間であれ50ポンド(約22.6kg)以上を運搬しないよう勧告しました。しかし、戦闘をする兵士が一般的に運ぶ荷物は、目標より遙かに上のままです。

  • ジョン・ホプキンス大学の研究によれば、2004~2007年、イラクとアフガニスタンにおいて、医療救助の3分の1近くが筋骨格系、結合組織、脊髄の負傷でした。これは戦闘による負傷の医療救助の2倍以上でした。
  • 陸軍の統計によれば、少なくとも1つの筋骨格系の疾患をもって陸軍から治療除隊した兵士の数は、2003〜2009年にほぼ十倍に増加しました。
  • シアトルタイムス紙(The Seattle Times.)の見積もりによれば、退役軍人援護局がこれらの負傷のために支払う傷病手当金は年間5億ドルを超えます。この数字はさらに増加すると考えられます。

 時間がないので簡単に紹介しますが、全文をチェックする価値のある記事です。

 こんなことがこれまでに検討されてこなかったこと自体が不思議です。陸上自衛隊でも、隊員に膝や腰の故障が非常に多いことはよく知られています。米軍に、IEDに対処するためにMRAPが導入されたとき、私は車高が高い車両に兵士が乗降するときに、これらの部位に負担がかかる危険性を考えたほどです。

 この問題を解決するには、装備品を軽くして、兵士が担ぐ荷物の重量を減らすか、運動を補助するロボットスーツを開発するしかありません。ロボットスーツは人間が普通の力で、より強い仕事をするよう補助します。当面、荷物を増やしすぎないようにするしかないのですが、記事は重たすぎる装備を持ち運ぶしかない現状が書かれています。



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