水素放出で原子炉損傷はないか?
午前11時01分頃、福島第1原発の3号機が爆発しました。日本テレビが中継を流しています。
当初、原子炉自体の爆発かと思われました。昨日と違い、爆発の煙が黒く、水素だけの爆発とは思えなかったこと。巨大な固形物が飛び散るのが見えたこと。これは原子炉の格納容器かも知れません。煙が高く立ち上っていることから煙が高熱であることが推定できました。
しかし、午前11時15分現在、3号機の格納容器と圧力容器は健全と発表されました。20km以内は屋内待避との指示が出ました。
午前11時50分頃の東京電力の発表では、正門付近の放射線レベルは20マイクロシーベルトとのことです。この値なら、原子炉自体は破壊されていないのかも知れません。
military.comによれば、福島第1原発が2回目の水素爆発を起こしたあとで、米軍の支援部隊は低レベルの放射能汚染を探知して後退しました。
放射能を探知したとき、空母ロナルド・レーガン(USS Ronald Reagan)は100マイル(160km)沖合にいました。探知した放射能レベルは自然な環境で1ヶ月に受けるのと同じでした。自然な環境で1年間に受ける放射線の量の世界平均は2.4ミリシーベルトです。月単位では0.2ミリシーベルトとなるので、ロナルド・レーガンでは、これくらいの放射線を探知したと考えられます。
完全な炉心溶融を想定し、それに対応した対策を行った方が無難と思われます。当初から、東京電力や政府の発表は事実を少なめに、時間を遅らせて発表しているとしか思えません。
2号機は冷却機能が失われ、燃料棒が完全に露出したとされます。枝野官房長官は、3号機での水素爆発で建屋に穴が開き、水素が外に出る状態となっているので2号機が爆発する可能性は低いと述べました。しかし、それならば、なぜ2号機の建屋に穴を開ける作業をするという発表があったのかが疑問です。東京電力や政府から出る情報を整理しても、私には状況が見えてくる気になれません。発表される情報が混乱しているのなら、現場はもっと混乱していると想像したくなります。
状況は依然として危険です。いまは福島第1原発から距離を置くことしか、国民に安全策はないように思われます。また、完全な炉心溶融は起きると考えて行動すべきです。
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