リビア戦費は5億5000万ドル

2011.3.31


 military.comによれば、バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)は、リビアの反政府派に武器を与えることがあり得ると言いました。

 NBCニュースが火曜日に報じたインタビューで大統領は「私はそれを除外していませんが、決定もしていません」と言いました。

 火曜日のロンドンで行われた国際会議で、イギリスのウィリアム・ヘイグ外務大臣(Foreign Secretary William Hague)は、装備や訓練で劣るリビアの反政府派に武器を与えることは討議されなかったものの、リビアに関する国連決議で除外されていないと言いました。

 武器の問題は、米政府はまだアメリカの資金を受け取っている反政府派に武器を渡すかどうかを決定していないと言うヒラリー・クリントン国務長官(Secretary of State Hillary Clinton)にも提起されました。彼女は、武器提供は国連決議の下で合法だとしています。「我々は、リビアがそうするのを望めば、武器の合法的な持ち込みができるように、国連決議1973はリビア国内の何者かに対する武器提供禁止を修正したか覆したと解釈しています」とクリントンは言いました。

 その後、火曜日にアンダース・フォー・ラスムッセンNATO事務局長(NATO Secretary General Anders Fogh Rasmussen)は、国連決議が反政府派の武装化を合法化したかどうかに疑問を示しました。Sky Newsのインタビューで、任務は人々を狙うことではなく、彼らを守ることとと言いました。

 ロンドン会議で、リビア暫定政権評議会は武器提供を望みました。「我々は武器よりも政治的支援を望みますが、両方が得られればすごいことになるでしょう」とマフムード・シャムマン(Mahmoud Shammam)広報官は言いました。

 military.comによれば、米国防総省がリビア攻撃で現在までに使った費用が5億5,000万ドルで、大部分は爆弾とミサイルだったとしました。

 隊員に払う給与のような金を含まないので、数字にはすべての費用を含みません。

 5億5,000万ドルの60%は弾薬で、残りは早い作戦のテンポのためです。

 10日目の月曜日までに、米軍は1基100〜150万ドルのトマホーク巡航ミサイル、192発を発射しました。航空機の出撃は983回で、それらの370回はカダフィ軍の基地や部隊に対する爆撃任務で、残りは監視と補給でした。

 将来の費用は非常に不確定ながら、米軍が減らされ、NATO軍がより作戦に責任を負えば、これからの3週間で4,000万ドルと見積もられています。その後、米軍が現在計画されているレベルで、作戦が続けば月当たり4,000万ドルです。

 military.comが、カダフィ軍がラス・ラナフを反政府派から奪還したと報じています。この記事を私はまだ詳しく読んでいません。

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 時間がないので簡単にコメントします。

 多分、反政府派への武器提供は実現するでしょう。どうも、そうしないことにはカダフィ軍に太刀打ちできそうにありません。そもそも、空爆も武器提供も動きが遅すぎます。もっと早くしないと、カダフィ軍が態勢を整え、それだけ内戦が激化します。対テロ戦争以降、欧米諸国は力の使い方を間違えていると、私は感じています。

 戦費をいち早く発表した理由はちょっと気になるところです。大統領の意向なのかも知れません。つまり、ブッシュ政権が無制限に戦争を拡大したために、莫大な費用が無駄に投じられました。オバマ政権はそんなことはしないと示したいのかも知れません。いずれにしても、こうした数字はできるだけ公表しておいて欲しいと考えています。

 それから今日報じられたように、カダフィ大佐の側近、ムーサ・クーサ外務大臣がイギリスに亡命したことは、街が一つ陥落するのと同じくらいの意義があります。カダフィ大佐の力が外から見えるよりも大きく弱まっている可能性を感じさせます。これは予想できるよりも早くにカダフィ大佐を追放できるかも知れません。



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