カダフィ軍がザウィヤに猛攻

2011.3.9


 BBCによれば、カダフィ軍はザウィヤ(Zawiya)で反政府派に猛攻撃を始めました。戦車50両とピックアップトラック120台がザウィヤに対して3回の攻撃を行い、犠牲者が出ました。

  国連難民高等弁務官アントニオ・グテレス(UN High Commissioner for Refugees Antonio Guterres)は、リビアとチュニジア国境は秩序の下にあり、110,000人が難民となっていると言います。

 イギリスのウィリアム・ヘイグ外務大臣(Foreign Secretary William Hague)は、リビア空域の飛行禁止区域は実質的に可能ですが、国際的で法的な支援が必要だと言い、英仏は国連決議を起草しているところだと付け加えました。

 NATO軍は、24時間の警戒を行うレーダーを搭載した航空機で、リビアの航空偵察を強化しています。

 カダフィ政権の顧問ユーセフ・シャキル(Yousef Shakir)は「リビア陸軍は、初めて、リビアの街から反政府派を一掃する決断をしました」「陸軍はすでにリビアの西方の街で開始しており、ベンガジへ移動します」とBBCに述べました。

 ザウィヤと反政府派が占拠したミスラタは依然として政府軍に包囲されています。ザウィヤの消息筋は、弾丸が四方八方に飛び、犠牲者には女性と5歳くらいの子供が含まれていると言いました。

 政府は兵士が民間人を殺していることを否定し、彼らはザウィヤ周辺の防衛拠点だけを攻撃していると主張しました。この声明は独自に確認されていません。

 月曜日にカダフィ軍はラス・ラナフ(Ras Lanuf)に至る経路上にある、先週反政府派が確保したビン・ジャワド(Bin Jawad)を再占領しました。

 火曜日に、空爆、武装ヘリコプター、重火器を用いて、彼らは北部沿岸での反政府軍の前進を押し戻し、ラス・ラナフの交差点から排除することを狙った、以前に見られたよりもより正確な攻撃が見られました。

 リビアの外務当局者は、カダフィ大佐が退陣を申し出たという報道は「まったく無意味」だと論評しました。反政府派は、このアプローチは単に反省派を分裂させようとしているだけだと考えます。ベンガジにいるBBCのムスタファ・メナシャウィ(Mustafa Menhshawi)は、何人かがカダフィ大佐と反政府派の間で何らかの交渉が行われていると言うとしています。


 戦車50両で攻めても、包囲されているザウィヤが陥落せず、カダフィ側の戦果はビン・ジャワドくらいです。依然として、カダフィ政権側の動きが鈍すぎます。

 カダフィ大佐が、このタイミングで和平を申し出たのは、彼が弱気になっている証拠です。せめて、ミスラタが反政府側に落ちるまで待てなかったのでしょうか。最前線では、彼を守るためにカダフィ軍の兵士が死んでいます。その最中に自分の保身のための工作をするようでは、彼のカリスマ性は地に落ちたと言えます。

 いっそ、反政府派は「いまカダフィ軍の者が投降した場合、戦争犯罪がなければ、その者の一族も含めて命は助ける。新政府下では、すべての部族が平等となる」と告知したらどうでしょうか。カダフィ派への懐柔工作は着々と進めていると思いますが、世界中に告知するのも一つの手です。

 時間はかかりましたが、今朝になって、アメリカも空爆に肯定的な態度を示すようになりました。飛行禁止区域の設定は時間の問題です。そうなれば、リビア空軍は出動できなくなります。さらに、ザウィヤに進軍してくるカダフィ軍の車両を戦闘機のミサイルで吹き飛し、ザウィヤ陥落を防ぎつつ、東部からの進軍を支援すれば、この内乱は早々に決着がつくことでしょう。



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