3号機付近に900ミリシーベルトの瓦礫

2011.4.24


 東京電気が福島第1原発3号機の周囲で、20日午後に900ミリシーベルトの瓦礫を発見し、鋼鉄コンテナに回収したと原子力安全・保安院が発表しました。

 同院は「3号機の水素爆発と関連している可能性がある」と説明しています。


 以前から指摘していますが、3号機が水素爆発を起こしたときに格納容器や主隔壁の内部で水素爆発が起きた可能性があります。

 今回見つかった瓦礫は3号機の爆発で上空に吹き上げられた大きな物体のどれかである可能性があると思います。それは格納容器の天辺部分や、その上部の主隔壁かも知れません。

 ようやく、3号機の瓦礫の撤去が始まったようです。作業が進まないことが非常に気になります。断片的でも、現場からあがった報告は報じて欲しいところです。

 アメリカから援助されたNBC対応部隊「CBIRF」は政治的理由で派遣された可能性が高く、何もしないまま帰国します。これは在日米軍兵士の被曝を防ぐという姿勢を米政府が米国民にみせることで安心させたいとの意図があったものと考えられます。国内マスコミは、これを事故対策の切り札のように報じましたが、実はアメリカの国益のために派遣されたことを認識すべきです。遠隔操作のロボットも、もう少しは役立つかと思いましたが、原子炉区域の入り口まで行くのが精一杯でした。湿度が高いところでもレンズが曇らないカメラを開発する必要があることが分かったのが収穫だっただけです。また、瓦礫が散乱する建屋内では、キャタピラ式のロボットでも行動が難しいのかも知れません。

 こうして見ると、水素爆発が起きたことで作業が非常にやりにくくなっている点が問題だと分かります。普段使っている通路が瓦礫で使えなくなることで、普段なら短時間でできる作業もできなくなります。原子力安全委員会は「水素爆発が起きても原子炉は壊れない」と言ったそうですが、水素爆発で復旧作業が著しく困難になることは考えなかったのでしょうか。委員会のメンバーは原子炉まで行って作業をすることはありません。だから、こんな気楽な発言が出るのでしょう。原子力の技術だけで、原発事故は語れないのです。原子力の技術者は自身の技術に拘束され、危機管理の見地からは発言しません。いわば、王様が裸なのに、それを言えない、イソップ童話の「裸の王様」と同じです。笑い者になることを恐れて本当のことを言えないのです。



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