ヨーロッパの傭兵がリビアで活動

2011.4.27


 military.comによれば、300〜500人のヨーロッパ人の傭兵がムアマール・カダフィ大佐(Col. Moammar Gadhafi)のために働いています。

 EUの専門家は、日給数千ドルの兵士が、重火器、ヘリコプター技術、戦術の専門家だと火曜日に報告しました。ギリシャの組織犯罪の専門家、ミシェル・カウトオウジス(Michel Koutouzis)は、彼が大半の傭兵がベラルーシ、セルビア、ウクライナから来ていることを見出したと言いました。ヨーロッパ人に加えて、カダフィ大佐は大人数の戦士を中央アフリカ共和国、チャド、ニジェール、マリ、ソマリアから雇った、と彼は言いました。

 フランスに拠点を置く、治安問題を研究するコンサルタント会社のカウトオウジスは、2月と3月にかけて北アフリカを旅行しました。「リビア社会では、グループ出身者が自分自身の人々を殺すのはタブーです」「これがカダフィ大佐が外国人戦士を必要とする理由の1つです」。

 BBCの記事には、その後、戦況が大きく変わったとは書いてありませんでした。地元部族と反政府派の交渉についても、何も触れていません。

 ミスラタ(Misrata)にはカダフィ軍の砲撃が続いています。ミスラタ港にはミサイルが直撃して、3人が死んだとされます。

 トリポリ(Tripoli)のカダフィ大佐の住居に対する攻撃について、リビア政府広報官、ムーサ・イブラヒム(Moussa Ibrahim)は指導者とその他の政治的指導者を暗殺しようとする試みだと呼びました。トリポリ空襲は、連合軍にはカダフィ大佐を暗殺することを委任されていないというロシアのウラジミール・プーチン首相(Prime Minister Vladimir Putin)の批判を引き起こしました。ロバート・ゲーツ国防長官(Defence Secretary Robert Gates)は、連合軍がリビアの指導者を暗殺しようとしたことを否定しました。


 カダフィ大佐は、歩兵はアフリカ諸国から、技術が必要な支援要員はヨーロッパから雇っているようです。ごく自然な成り行きです。気になるのは、背後にどの民間軍事会社がいるのかということです。彼らがどれくらいの規模で人材を募集しているかが問題です。

 戦術の専門家もいる点は気がかりですが、今のところ、組織的な動きがカダフィ軍にみられないことから、さほど優れた指揮官はいないように思います。「重火器」は「heavy weapons」の訳で、普通は重機関銃などを意味しますが、ここでは榴弾砲やロケットランチャーのことかも知れません。

 ミスラタの戦況はまだ明確になっていないようです。カダフィ軍は市内への砲撃を続けながら、再び歩兵を街へ入れようとするはずです。そうした動きがすぐに出てこなければ、一気にミスラタ周辺から撤退するしかありません。


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