アフガン将校が外国人兵士を乱射

2011.4.28


 military.comによると、アフガニスタンの将校が会議で銃撃し、NATO軍兵士8人と請負会社の社員1人が死亡しました。

 ベテランの軍パイロットのアフガン将校は、議論の後で外国人に対して発砲しました。発砲はカブール空港のアフガン航空隊の作戦室で起こりました。

 「突然、会議の半ばで、発砲が始まりました」とアフガン航空隊の広報官、バエダ大佐(Col. Bahader)は言いました。「発砲が始まった後で、我々は大勢のアフガン陸軍の将校と兵士が建物から逃げるのを見ました。一部の者は逃げるために窓から身を投げ出しました」。

 8人のNATO軍人の国籍は公表されていませんが、アフガン空軍を訓練しているのは大半がアメリカ人です。アフガン兵5人が負傷し、少なくとも1人は手首を撃たれましたが、兵士のほとんどは骨折と創傷を被ったと、バエダ大佐は言いました。

 ハミド・カルザイ大統領(President Hamid Karzai)は銃撃を非難し、被害者の血縁者に哀悼を示しました。彼は、殺されたのはアフガン航空隊の教官と顧問だと言いました。大統領は防衛治安当局に、なぜ起きたかを判断するために最近の事件を調査するよう命じました。

 アフガン治安部隊のメンバーか、彼らに扮している武装勢力がアフガン軍のメンバーを殺したのは、これで7回目です。

 タリバンが犯行声明を出し、広報官のザビウラ・ムジャヒッド(Zabiullah Mujahid)は、発砲の間に殺された銃撃者は将校に扮しており、施設の別の者が彼がアクセスするのを助けたと言いました。しかし、国防相の広報官、モハマッド・ザヒル・アズィーミ大将(Gen. Mohammad Zahir Azimi)は、銃撃者は20年間の軍歴を持つアフガン軍のパイロットだと言いました。「彼と外国人の間に議論が起こったので、我々はそれを調査しなければなりません」とアジミ大将は言いました。

 匿名を条件に語ったアフガン人パイロットは、銃撃者はカブール州(Kabul province)のタラヘイル地区(Tarakhail district)出身の50歳のパイロット、アフマド・グル(Ahmad Gul)だったと言いました。

 最近のテロ事件を解説した部分は省略します。

 NATO軍がまとめた情報では、20件の事件の半数はアフガンの警察官や兵士を装うことが関連しました。その他の10件の事件の原因は戦闘ストレスや未知の理由でした。タリバンの主張に関わらず、武装勢力が連合軍やアフガン軍に対する攻撃を実行するという唯一の理由のためにアフガン軍に参加したという確固とした証拠はありません。

 なお、military.comの別の記事によれば、夏に退任するロバート・ゲーツ国防長官(Defense Secretary Robert Gates)の後任に、レオン・パネッタCIA長官(CIA Director Leon Panetta)があたり、デビッド・ペトラエス大将(Gen. David Petraeus)はCIA長官に就任する見込みです。ペトラエス大将の後任はジョン・アレン中将(Lt. Gen. John Allen)です。情報源は匿名の高官ですが、間もなく公表されることになっています。


 銃撃した者の身元がアフガン軍が言うとおりなら、タリバンの主張は偽装であり、事件を利用したプロパガンダです。しかし、彼らがテロ犯を軍や警察に潜入させ、テロ攻撃を仕掛ける戦術に出ているのは、この種の事件の発生回数から見て間違いがありません。

 すると、最近のタリバンの投降は、降伏を装った工作なのかも知れないと考えたくなります。タリバンが戦術を変え、自爆攻撃を中心の活動に切り替えたことは先日紹介しました。NATO軍がこれをタリバンの弱点と見るのが正しいかどうかは多少疑問もあります。イラクでは占領後の数年間、この自爆攻撃に悩まされたからです。自爆テロがもっと増えるようなら、タリバンが有利になる可能性もあります。


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