なぜビン・ラディンは見過ごされた?

2011.5.10


 オサマ・ビン・ラディン襲撃に関して、バラク・オバマ大統領がCBSの「60 Minutes」でインタビューに答えました。ワシントン・ポストがこれを報じた記事の後半に、パキスタンのアボタバードで警察がなぜビン・ラディンに気がつかなかったかについて書かれています。

 パキスタンの民間人の政府内で、しばしばパキスタン情報期間により浸食されていると不満を言うメンバーは、アボタバードで公的な支援なしに何年も暮らすビン・ラディンの能力に疑いを抱くと個人的に言います。軍と情報部のチーフはビン・ラディンについて直接知らないものの、ずっと下の機構はおそらく知っていたと政府高官は言い、ISIの中の要素に言及しました。

 パキスタンの別の地域の警察高官は、住居に関する疑わしい活動を隣人がアボタバードの警察に報告をしなかったのなら驚くと言いました。4つの地域で地区レベルの警察本部長を務めたことがある匿名の警察当局者は、彼や彼の部下は住民に隣人から目を離さず、新入りを報告するよう推奨したと言いました。「週に1度、私は匿名の人たちから、数人の疑わしい人物が来たり訪問をする家について連絡をもらったものです。誰もいない家もありました。もちろん、我々はそうした家を調べたものです」「過去数年間、私が地区に配置されていた時、私『あご髭を生やした人があの家を訪問した!』という連絡をもらったものです。誰もが、我々が非常に危険な状況に生きているという事実に気がついていました」。

 多くの食糧を必要とするので、約18人が住んでいたビン・ラディンのもののような住居は注意をひくと警察高官は言いました。「私はこれが誰もが忙しいニューヨークで起きたのなら理解するでしょう」「しかし、パキスタン人はとても出しゃばりな人々です。我々は隣家のキッチンで誰が料理をしているのかをとても気にするのです」。

 もう1つの軍が駐屯する街の地区の元市長、サルダル・シェール・ディル(Sardar Sher Dil)は、彼が彼の地域の詳細な地図を持ち、定期的に各家の住民の記録を更新していたと言いました。「民間人として、地域レベルの政治家の私は、地図を地域と有権者のデータをすべて保持できました。(軍)当局者と治安機関にできないはずはありません」とディルは言いました。「関連のある地域の誰もが、我々の中心的な情報機関のように、オサマ・ビン・ラディンの住居に完全に気がついていました」。

 2005〜2010年にアボタバードの市長だったババ・ハイダー・ザーマン(Baba Haider Zaman)は、治安当局者の無知について疑いを繰り返しました。「彼えらは買収されたか、そうした高い価値のある標的を隠したのです」とザーマンはいましたが、彼は在職中にビン・ラディンが見つかったビラル町(Bilal Town)を訪問しなかたっと言いました。

 ビラル町の市長サイド・サルタン・シャー(Syed Sultan Shah)は、日曜日にコメントを得られませんでした。

 他の匿名の当局者は、ビン・ラディンを見つけられなかったのは、単純な不注意だと言いました。公的に話す権限を与えられないアボタバード警察当局者は、彼の部署は3ヶ月前に住民調査を行ったと言いました。家長は資産記録、写真2枚、国民身分証カードのコピー1枚を提出する必要がありました。警察当局者は、ビン・ラディンの住居の記録は、隣人がその家に住んでいると言った2人の兄弟の人であるアシャド・カーン(Arshad Khan)の名義だったと言いました。他の治安当局者は、その身分証は偽物であるように見えたと言いました。

 アボタバードの政府当局者は、調査チームは4月に、11年ぶりに街を回ったと言いました。しかし、ビン・ラディンの住居の2つの金属製防犯ゲートをノックしたとき、誰も応答せず、調査員は諦めたと当局者は言いました。

 military.comによれば、パキスタンのユサフ・ラザ・ギラニ首相(Prime Minister Yousuf Raza Gilani)は「アルカイダと共謀しているとして、ISIと軍隊を含めたパキスタンやパキスタンの国家機関を批判するのは危険です」「テロ攻撃を次々と行ったオサマ・ビン・ラディンの排除は、本当に正義がなされたのです」と言いました。


 パキスタン人は隣人を常に気にするものの、その調査は大した熱意で行われていないでは、誰も納得しないでしょう。しかも、パキスタンでは、国家元首が暗殺されるような重大なテロ事件が起きており、テロ組織に対して人々が敏感でもおかしくはないはずです。

 ギラニ首相の言葉は、パキスタンがこの件で、これ以上はアメリカと対立したくないことを示しています。アルカイダとの凶暴説は否定し、ビン・ラディン襲撃には抗議しないという態度です。いつものように、幕引きにかかっているわけです。

 テロの被害者であると同時に加害者であるというパキスタンの特異な状況は、ビン・ラディンの死後も変わりそうにありません。


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