カダフィ大佐が空爆で負傷か

2011.5.14


 BBCの記事からリビア情勢を見てみます。カダフィ大佐がかなりの確度で負傷したと私は考えます。

 リビア当局者は木曜日の朝、攻撃があり3人が死亡したと言いました。これは独自に確認されていません。特派員は、ロケット3発が基地に命中し、大きな損害を与えたと言いました。

 水曜日に放送されたカダフィ大佐のビデオ映像は、2週間前に彼の息子が殺されてから初めてでした。

 木曜日早くに、カダフィ大佐の住居、バブ・アル・アジジヤ(Bab al-Aziziya)にミサイルが命中しました。損害を調査するため、ジャーナリストは政府当局者により現場に連れて行かれました。リビア政府広報官は、NATO軍が住居に5発のミサイルを発射したと言いました。「3人が死亡しました。2人はジャーナリストで、1人はドキュメンタリー映画の撮影を手伝っていた彼らのガイドで、彼らはNATO軍に対する回復を祝っていた何百人者人を撮影していたと広報官は言いました。

 NATO軍は最新の空爆にはコメントせず、水曜日の46回の空爆の大半がトリポリとその周辺に集中され、指揮統制センター、弾薬庫、ミサイルランチャーを攻撃したと言いました。国営テレビはトリポリの北朝鮮大使館が夜通しの空爆で損傷を受けたと言いましたが、NATO軍は否定しました。

 フランスは木曜日に、フランス国民1人が射殺され、他4人が反政府派の拠点であるベンガジで逮捕されたと言いました。5人が誰で、彼らがベンガジで何をしていたかは明らかではありませんでたが、フランス外務大臣の声明は「昨夜、ベンガジで警察の検査の間でフランス人5人が拘留されました。彼らの1人は銃弾で負傷し、その晩にベンガジの病院で死亡しました。

 水曜日に、国営テレビは部族指導者に会うカダフィ大佐を見せ、彼がその日の早い時間にトリポリで彼らにあったと言いました。映像の中で、カダフィ大佐は、トレードマークの茶色のローブを着て、黒いサングラスと黒い帽子を被り、健康そうに見えました。

 米政府は金曜日に、反政府派の代表をホワイトハウスに招待しました。マフムード・ギブリル(Mahmoud Gibril)を含むリビア暫定国家評議会(the Libyan Transitional National Council: TNC)の代表団は、トム・ドリトン国家安全保障担当補佐官(Tom Donilon)と、米議会のメンバーと会いました。

 military.comによれば、ギブリル氏はオバマ大統領と会う予定はありません。

 BBCによれば、金曜日遅くから土曜日早くNATO軍の空爆と考えられる爆発が大きなトリポリでありました。それはカダフィ大佐の音声メッセージを国営テレビが放送した後に続きました。カダフィ大佐はリビア国外で「十字軍、臆病で危険なミサイル攻撃を聞いた後で、私の無事を調べるために、あらゆるコンタクトをすることで、深く強い懸念、私に対する熱狂を愛を示した人たち」に感謝をしました。
「私は十字軍の臆病者たちに、私は数百万の心臓の中で生きるので、私はあなたたちが私に手を伸ばしても殺せない場所にいると言います」「不朽を殉教者のために。そして、死と悪名、不名誉は危険な職務執行者と彼らの臆病な主人のために」。

 イタリア外務大臣は金曜日早くに、カダフィ大佐はおそらく木曜日のバブ・アル・アジジヤへの攻撃で負傷し、トリポリから逃げたと言いました。

 金曜日早く、国営テレビはNATO軍の攻撃がブレガ(Brega)の宿泊施設を攻撃し、イマーム(イスラム教指導者)11人を殺し、45人の人々を負傷させたと言いました。政府広報官は、犠牲者は反政府派が支配するベンガジへ和平交渉のために旅行している大グループの一部であると言いました。しかし、反政府派の当局者はブレガには民間人はいないと言い、NATO軍広報官はブレガの攻撃について何も知らないと言いました。


 水曜日にカダフィ大佐の映像が放送され、木曜日にバブ・アル・アジジヤに空爆があり、金曜日は大佐の音声だけが放送されました。木曜日の空爆でカダフィ大佐が負傷し、顔を出せなくなるような怪我をしたと考えるのが自然です。

 カダフィ大佐が「あなたたちが私に手を伸ばしても殺せない場所にいます」と言ったこと。「危険なミサイル攻撃」「危険な職務執行者」と「危険」という言葉を繰り返し使っていることから、彼が強い圧力の下にいることが想像でき、負傷したことを連想させます。

 これにより、事態は新しい展開を見せるかも知れません。カダフィ大佐が公然と姿を見せなくなれば、死亡説が飛び交い、影響力を失います。大佐への戦況の報告と命令がより手間取ることになり、カダフィ軍の動きが鈍くなるかも知れません。よって、これからのカダフィ軍の動きからは目が離せません。

 ブレガ空爆は事実は未確認です。カダフィ政権がブレガが陥落することを恐れ、民間人がいると思わせたいための情報操作と考えられます。11日に紹介したように、ブレガでは反政府軍の前進を支援するための空爆が始まっています。反政府派やNATO軍はブレガに交渉団が到着したことを知りようもないでしょうから、彼らも確実なことは言い得ません。しかし、交渉団を送り込むのなら、事前に通告するはずで、それが反政府派に届いていないのなら、誤爆の話は当然嘘です。私もそうだろうと考えています。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.