脱原発の「はんかく祭」に参加

2011.5.2


 福島第1原発事故について知るため、札幌市で開催された「はんかく祭」に参加しました。

 講師は京都大学原子炉実験所、原子力工学助教授の今中哲二氏、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏です。もともと、チェルノブイリ事故25周年で企画されたイベントでしたが、準備中に福島第1原発で事故が起こり、大勢の参加者が集まりました。

 今中氏は「はじめからウサンくさかった日本の原子力開発」と題して、日本の原子力開発、チェルノブイリ事故、福島第1事故について語られました。一番聞きたかった福島第1事故については、自分の解釈と似ている部分もありました。たとえば、福島第1事故は3月12日の段階でスリーマイル事故に匹敵する状況となり、15日にはチェルノブイリ事故に匹敵したと、今中氏は判断したということです。この時期、政府は国際評価尺度のレベル4で、東海村の臨界事故と同じと評価していました。さらに、出るべきデータが出てこないとか、遅れて、少しだけ出てくるので、現場で本当に何が起きているかが分からないとも言っていました。一番驚いたのは、今中氏が事故が解決するかどうか「祈るしかない」と言ったことでした。原子力の専門家でも、こう考えるしかない状況なのです。

 飯田氏は自然再生エネルギーの専門家で、脱原発について論じました。今朝まで「朝まで生テレビ」に出演していて、その足で札幌に向かったということでした。原発は建設費が高額になりすぎて継続できないこと。金融機関が原発を危険視し、資本も確保しにくいこと。原子力発電に4割も依存していることは幻想であること。自然再生エネルギーには十分な潜在力があること。節電のために我慢しなくても電気は足りることなどを論じられました。

 私にとっては、自然再生エネルギーで十分にやっていけるという話は大変に心強いことでした。自然再生エネルギーで足りるのなら、危険な原子力発電は不要だからです。

 このイベントはUSTREAMで見られます。両講師の講演の他、朗読と短編映画の上映、質疑応答などが収録されています。(リンク先はこちら

今中哲二氏の講演

飯田哲也氏の講演


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