ヘリコプター導入は何のためか？

　military.comがリビアに攻撃ヘリコプターを導入する問題について報じました。

　リビアでの軍事作戦は、飛行禁止区域を設定し、民間人を攻撃から守るという狭い定義の任務で始まりました。２ヶ月後、作戦は首都トリポリの空爆へと発展し、未だにゴールは見えていません。問題の一部は最初の国連決議にあります。それは空軍力を承認しましたが、カダフィ大佐がリビア国民を暴力的に抑圧したあとで、民間人を守るためのすべての手段をとることを認めたあとも、地上部隊は禁じました。

　ユーゴスラビアからイラクまで、最近の歴史は、空軍力だけを通して体制を追放することが非常に難しいことを示しました。最初の限定された攻撃目標はベンガジに向かう戦車や一部の対空部隊でしたが、火曜日には首都で紛争以後最大の爆撃がありました。

　同盟国の間には、欲求不満か絶望の兆候があります。対空砲火を避けるため、作戦は最初は大半が、主に15,000フィート（4,500m）〜５マイル近く（５km）の高々度の精密爆撃に依存しました。しかし、フランスは月曜日に攻撃ヘリコプターを派遣すると言いました。これまでは、作戦では同盟国の軍人は誰も死んでいませんが、ヘリコプターを使いより低く飛ぶことは、フランスはそのパイロットを大きな危険にさらし、リビアでの作戦をできるかぎりすぐに終わらせたいという願望を強調します。「私はリビアでの任務が数ヶ月よりも長くは続かないという我々の意志を保証できます」とフランスのアラン・ジュペ外務大臣（Foreign Minister Alain Juppe）は議会で言いました。彼は軍事行動が「私の考えでは、数日か数週間、間違いなく数ヶ月ではありません」と言いました。

　リビアの対空ミサイル網は破壊されたとされますが、低高度のヘリコプターの脅威となる重機関銃と機関砲、携帯式ミサイルは残っているとされます。過去の紛争では、NATO軍はそうした兵器を持つ敵に対してヘリコプターやガンシップAC-130を使うのを避けました。1999年、コソボとセルビアを空爆した時、作戦開始数日で防衛側が半ダースのジェット機を撃墜したあとで、同盟国はアパッチヘリコプターを派遣する計画を即座に放棄しました。

　北大西洋条約機構理事会では欲求不満が高まっていると、あるNATO軍の外交官は言いました。「いつ戦いが終わるのかについて、いくらかの厳しい疑問があります」。６月末までに軍事行動が終わらないと、評議会で際承認する必要があると匿名を希望する外交官は言いました。

　ロンドンのキングズ・カレッジ（King's College）の教授、テオ・ファレル（Theo Farrell）は、リビアへの攻撃ヘリコプターの導入はアフガニスタン戦から潜在的な資源を転用するかも知れないと言いました。「ほとんどの空軍と海軍の資源はリビアに関与しているので、これらの資源はアフガンではなんにせよ使えません」「気分を転換する唯一の領域が、上級指導層の関心と戦略的な計画においてあります」。ヘリコプターは別の問題だと彼は言いました。「これがより多くのことを起こします。資源の転用についてより多くの緊張があるでしょう」。彼はこれが、NATO諸国の増大する戦争の疲れ、ハミド・カルザイ大統領の政府の問題、隣国パキスタンの武装勢力の隠れ家のために、「戦争が作戦的に勝利を収め、同時に戦略的に敗北する」場所、アフガンが危機的なときに来ると言いました。

　昨日指摘したようなことが、ここでも言われています。すぐに戦争が終わると思って、小規模の軍隊を投入し、うまく行かないと少しずつ規模を拡大するようなやり方は失敗を招きます。

　私は最近、フランスとイギリスの戦争に対する考え方にはまったく賛成できなくなっています。彼らはせっかく発展させた軍事技術を政治的な目標にうまく合致させられないのです。アフガンでうまく行かないのをリビアで発散したいというような考え方が少しでもあるなら、それは大変な間違いです。

　効果は落ちるものの、攻撃ヘリコプターは敵からの距離を取り、遮蔽物がある近くでのみ行動することで、敵の攻撃をかなり防げます。前方に森や建物がある場所で行動し、ミサイルが飛んできたらすぐに降下して身を隠すのです。ミサイルは目標を失って素通りするでしょう。うまく運用するかどうかは現地部隊の手腕にかかりますが、背後の政府もしっかりした考えを保持することが大事です。