アルカイダがビン・ラディンの死を確認
アルカイダがオサマ・ビン・ラディンの死を確認したことが、SITEIntelGroupにより明らかにされました。簡単に紹介します。
2011年5月6日に公表された4ページの声明で、アルカイダは公式に指導者、オサマ・ビン・ラディン(Usama bin Laden)が、本物の状況の中で実際に殺されたと述べました。
彼の死を悔やむのではなく、アルカイダは「アメリカ人がオサマを殺せたとしても、これは恥や汚点ではありません」と指摘して、ビン・ラディンを他者への模範として利用することを選びました。アルカイダは支持者たちに、ビン・ラディンが彼と共に死ぬことを支持しなかったという考えを思い出させました。「しかし、アメリカ人は、メディアやスパイ、機械装置、兵士、諜報と組織と一体になって指導者オサマが生きたこと、彼が殺されたことを葬ることはできますか?」。
メッセージは復讐を約束し、攻撃をほのめかし、西欧に対して聖戦を続けると誓う一方で、声明の別の目的はアルカイダが無傷で、活動を続けられることを支持者たちに示すことにあるようです。アルカイダは新しい指導者の名前を出さず、ビン・ラディンの代わりをどう選ぶかも議論しませんでした。声明にはアルカイダの司令部(General Command)の署名だけがありました。
このメッセージは急いで作られたらしく、支持者たちに、アルカイダはビン・ラディンの死の後に彼がまだ生存しており、現在の出来事に即座に反応できることを示そうとしたようです。この確証が公表されたのは5月6日ですが、日付けは5月3日で、3日間の時間差はメッセージが書かれたのと、聖戦主義者のフォーラムに掲載された時間の間隔を示しています。この時間差は意図されたものではなく、フォーラムの管理者は、彼らにはビン・ラディンの状態に関する情報がないことを提示する声明を発表することを強いました。
メッセージはビン・ラディンの死のニュース後、非常に早く書かれたらしいことを示し、メッセージはアメリカがビン・ラディンの遺体を彼の家族に渡すよう求めており、メッセージの著者は死体がすでに海に捨てられたというニュースを知らなかったことを示しています。
さらに、事前に漏れるのを防ぐために、アルカイダからのメッセージは大抵、それらを解読するパスワードと共に、フォーラムに配信される前にパスワードで保護されています。このケースでは、メッセージはパスワードの保護なしに公開され、声明はアルカイダのオンラインの配布委員会であるアル・ファジル・センター(al-Fajr Center)が受け取るとすぐに公開されたことを示します。
アルカイダがビン・ラディンの死から受けるダメージを最小限にしようとしていることが分かる声明です。彼を殉教者にすることで、反米の結束を弱めないことを重視しているのです。アルカイダの戦略として当然のことです。
タリバンも戦いの継続を宣言しており、この出来事がテロとの戦いを終わらせるわけではないことが明らかになってきました。イスラム国でも反米感情が上昇しています。早急に、ビン・ラディン後のイスラム過激派の動きを予測し、相応しい対策を取る必要があります。
しかし、この声明文を書いた者も、詳しい情報を持っていないように、アルカイダ以降のイスラム過激派は分散型の構造を持っており、行動の掌握は困難です。タリバンも最高指導者のムラー・モハメド・オマルが2001年以降、生死が不明です。でも、組織は活動を続けています。アルカイダもビン・ラディンなしに活動を続けることが可能です。
私は、ビン・ラディンは拘束できるのなら拘束すべきだったと考えます。彼を安全に収容する場所と裁判が実現できないと言った米高官がいたようですが、これにかかる金は価値のある金と手間です。私はむしろ、裁判になればメディアの注目が集中し、その他の政治問題への関心が薄れることを米政府が恐れたのだと考えます。それは、オバマ政権にとって、あまり意味のあることではありません。さらに、クリントン政権は世界貿易センタービル地下爆破事件のために、ブッシュ政権は同時多発テロのために、米政府はビン・ラディンをずっと殺害しようとしており、オバマ政権はそれを踏襲したのだと考えます。ワシントンで、民主党と共和党が支持する政策は、特に疑問視されることなく継続されるのです。しかし、前政権の方針は破棄することもできます。拘束して裁判にかけた場合の効果については、やはり検討する余地があります。
殺害した点とパキスタンの主権侵害については、議論が続くことでしょう。
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