リビア反政府派がカダフィ派を拷問?

2011.6.7


 military.comによると、日曜日に続いて月曜日にもリビアのトリポリにNATO軍の空襲がありました。

 夜通しの空襲はトリポリの周辺の場所を狙っているように見えました。何が目標だったかは不明です。リビア政府のコメントは得られませんでした。NATO軍の声明は、それらの空襲がミサイル貯蔵地域とランチャー、指揮統制施設とレーダーシステムを攻撃したと言いました。NATO軍の軍用機はリビアの首都周辺への攻撃の頻度を増やしているようです。

 ブリュッセルでは、NATO軍事務総長、アンダース・フォー・ラスムッセン(NATO Secretary-General Anders Fogh Rasmussen)は水曜日に、もっと多くの国がカダフィとの戦いに貢献するよう求めるため、同盟の国防省と会議を行います。彼はどの国かは明らかにしませんでした。イギリスとフランスは3月に任務が始まってから深く関与してきました。

 月曜日に、ブレガ(Brega)で反政府派2人がカダフィ軍との戦いで殺されました。カダフィ軍はアダビヤ(Ajdabiya)の墓地に迫撃砲を撃ちました。攻撃の後、反政府派兵士は政府軍をブレガの西へ追跡しました。そこでは砲撃で反政府派2人が死亡し、1人が負傷していたと匿名を希望する衛生兵は言いました。リビア当局が情報を提供しないので、リビア軍の犠牲者は不明です。

 日曜日に人権団体「Human Rights Watch」は、反政府派がカダフィ大佐と協力する疑いがある何十人もの人々を独断で拘束したという報告書を発表し、反政府派は拘留者に完全な適正手続きの権利を与えるか釈放するよう要請しています。このグループは拘留者1人が拘留中に拷問されて死んだと言いました。これは反政府派が支配した3つの街で反政府派が捕らえた拘留者との話に基づいています。「反政府派が支配するこの地域で法の支配を遅らせる理由がありません」と同団体のサラ・レア・ウィットソン(Sarah Leah Whitson)は言いました。


 トリポリ周辺での攻撃は、同じような目標に対して繰り返して行われているようですが、恐らく、偵察して場所が分かった移動式の目標を中心に攻撃を仕掛けているのだと思います。

 ラスムッセン事務総長が会う国防大臣の国はドイツかもしれません。

 ブレガが陥落したかどうかは不明です。アダビヤの墓地を砲撃した理由、墓地の場所も正確には分かりません。単によく狙わないで砲撃して、たまたま墓地に落ちたのかもしれません。しかし、アダビヤが未だに攻撃を受けていること自体が問題です。

 反政府派にも装甲車が必要かもしれません。そうすれば、小規模な敵は恐れずに前進できます。ピックアップトラックに重機を据え付けた「テクニカル」だけでは、敵の攻撃に耐えられません。反政府側についた元カダフィ軍の兵士には、こうした装甲車を操縦できる者がいるはずです。これで敵歩兵を攻撃して、戦車が出てきたところを攻撃ヘリコプターで破壊するような戦術が理想的です。

 反政府派による拷問は何としても止めさせる必要があります。それでも、過去に比べると、こうした問題は小さくなりつつあるようです。以前は大規模な報復が行われましたが、現在はこの程度です。



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