グアリシュからの特派員報告

2011.7.11


 BBCがグアリシュ(Gualish・kmzファイルはこちら)に入ったマーク・ドイル記者(Mark Doyle)の報告を報じました。要点だけを抽出しました。

 木曜日にグアリシュを訪れた時、戦いで起きた火事が放棄された家と変電所でくすぶっていました。反政府派の戦士は半壊した給油所のタンクからガソリンを吸い上げていました。彼らの多くは、そうしている間にタバコを吸っていました。

 グアリシュを奪取するために、反政府派は24時間前に確保していた陣地から10〜15km移動しました。反政府派の兵士たちは彼らが前進する前にNATO軍がカダフィ軍の重火器を爆撃したと言いましたが、どこを爆撃したかは明らかではありません。「カダフィ軍はワイヤーと爆発物で作った仕掛け爆弾を一部の家に仕掛けました」とモハメッド・ラバニ(Mohammed Rujbani)は言いました。

 私の防弾ベストに「プレス」のマークがあるのを見て車を降りた運転手は、私にマリ国籍のパスポートを見せました。「この男はカダフィ大佐のために戦っていました」。彼はマリのパスポート、身分証明書、個人的な写真のアルバムを見せました。アルバムの写真には若い女性や赤ん坊が写っていました。パスポートのスタンプは彼が5月9日にマリ北部を出発して、アルジェリア経由でリビアに入ったことを示しました。パスポートの職業欄は「会社員」となっていました。彼がカダフィ軍のために戦い、パスポートをなくしたのなら、反政府派が到着した時に急いで逃げたと思われます。

 グアリシュの道ばたは捨てられた兵府軍兵士の軍服で散らかっていました。莫大な数の使用済み薬莢と爆発した砲弾の危険な欠片がありました。私はマリ人の話を確認できませんでしたが、話が自然発生的に起きたこと、兵士の素朴な態度からして、私は彼が見たことを話しているようだと私は思いました。


 ガソリンなど物資の一部は現地調達で、前進を遅らせるために仕掛け爆弾を設置していることから、反政府派の前進には時間がかかりそうです。ミスラタ方面でも前進が続いているという記事もあります(ビデオ映像付きの記事はこちら)、基本的に物資が不足している戦争の進展は遅いものです。それでも、着実に終わりに向けて進んでいると言うことはできます。

 雇い兵たちはリビアのために命まで捧げるつもりはありません。放棄された軍服は彼らが捨てた可能性もありますが、政府軍兵士がそうしたのなら、彼らの士気は相当に低くなっていると言うことができます。

 ミスラタ方面では反政府派はカダフィ軍と500m位離れて対峙しているようです。記事のビデオ映像からは、以前に指摘したように、反政府派は道路沿いの木陰を利用して戦闘を行っているようです。それ以外は開墾地なので、こうした木陰が攻撃・防御の拠点となります。迫撃砲や榴弾砲などの長距離兵器があれば、敵を見つけながら砲撃して沈黙させたり、発煙弾で視界を遮ったりできるのですが、そういう兵器が少ないのが問題です。



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