反政府軍がブレガから前進・攻撃を継続

2011.7.19


 前回紹介した記事の内容が更新されました。BBCによれば、リビアの反政府派はカダフィ軍がブレガ(Brega・kmzファイルはこちら)からラス・ラナフ(Ras Lanuf・kmzファイルはこちら)へ向けて撤退していると言います。

 彼らはブレガは多くの地雷が埋められ、まだ抵抗する孤立地帯があると言います。

 反政府派の主張は独自に確認できませんでした。

 反政府派広報官、シャムシディン・アブドルモラー(Shamsiddin Abdulmolah)は「大半のカダフィ軍はラス・ラナフへ退却しました」と言いました。彼は通りが脅威的な数の対人地雷が散乱して、完全に地域を安全にするのを難しくしていると言いました。150〜200人と考えられているカダフィ軍の残兵は、乏しい補給物資と共に産業ビルに身を隠しています。「彼らの食糧と水の補給は遮断され、いまや彼らは眠れないでしょう。彼らが気がつくのは時間の問題で、我々は多少の流血を防ぎたいと思っています」。

 ブレガ周辺の反政府軍は20km離れたビシュア村(Bishr・kmzファイルはこちら)からのミサイル攻撃により阻止されていると、アブドルモラー氏は言いました。彼は一部の反政府派がそれらの陣地を南側から攻撃するためにブレガを通り抜けたと言いました。「我々は今日、ビシュアを占領したいと思っています」。

 カダフィ軍の重砲火に関わらず、彼らは数日間、北東、東、南西から数日間かけて街に前進をしました。


 コメントが正確ならば、ブレガが陥落したのは確実です。彼らは戦いの中で退却のタイミングを逸したか、退却を知らされなかったのでしょう。200人くらいが包囲されているのなら、物資はあっという間に使い切るでしょうし、突破作戦を行うにしても、隣町は20km先で、平坦な砂漠を反政府派に見つからずに行けるわけはありません。まともな指揮官なら降伏を選択する局面です。

 ビシュア村から砲撃が行われているという部分には疑問があります。ブレガから20kmのところにあるのはキャリアット・バシィア(Qaryat Bashir・kmzファイルはこちら)で、ビシュアは40km西です。街の名前か距離のどちらかが間違っている可能性がありますが、キャリアット・バシィアを素通りしてビシュアに行くとは考えにくく、グラートロケットの射程は20km以下の弾頭が多いことから、街の名前が間違っている可能性があると考えます。BBCには質問を出しておいたので、修正してくれるかもしれません。

 反政府派がブレガから前進したのは、やはりブレガを獲るだけの作戦ではなく、ミスラタまでの海岸沿いを奪取する作戦の一環であることを示しています。期待が持てる展開になってきました。



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