反政府派がガリヤンに接近
BBCにガリヤン(Gharian)の戦いに関する続報などが掲載されました。スペルが違いますが、先日紹介したガリヤン(Garyan)と同じ街と思われます。BBCはなぜか2種類のスペルを用いているようです。
リビアの反政府派は過去24時間で10~15km、カダフィ軍が保持するガリヤンに向けて移動しました。それよりも早く、ミスラタの反政府派はトリポリへの前進が弾薬不足で妨げられていると言いました。彼らはNATO軍の支援が不十分であると言いました。
新しい最前線はカダフィ軍の重要な駐屯地、ガリヤンにより近くになったとBBCのマーク・ドイル(Mark Doyle)は報告します。政府軍が捨てた軍服と共に、空の弾薬ボックスと使用済みの銃弾が地面を散らかしていました。衝突で生じた火事がまだくすぶっています。反政府派がガリヤンを奪取すれば、彼らはトリポリへ行く南北の主要道路を支配することになります。しかし、反政府派の戦士は街が堅固に守られていると言います。彼らは民間人の犠牲を避けるために慎重に前進しています。ドイル記者は、反政府派はカダフィ軍が道路のあちこちで抵抗しているので、あきらかにゆっくりと移動していたと言いました。
水曜日に、ミスラタの当局者は17人の戦士が殺され、60人が負傷したと言いました。反政府派の広報官はNATO軍の空爆がまばらだと言いました。「航空機が空を飛んでいる時…それはカダフィ軍は地上のロケットを使えないことを意味します。彼らは…彼らを観察して攻撃する航空機を恐れます」とファティ・バシャダ(Fatti Bashada)はBBCのガブリエル・ゲートハウス(Gabriel Gatehouse)に言いました。バシャダ氏は空のパトロールを続けるよう要請したにも関わらず、ここ数日、NATO軍の航空機は戦いの途中でいなくなったと言いました。「飛行がない時、それは彼らが我々に自由に武器を使えることを意味します」と彼は言い、カダフィ軍が撃ったロケット弾が大勢の反政府派を殺したと付け加えました。反政府派とカダフィ軍はミスラタの西方で6週間以上手詰まりになっています。
リビアは国際的な武器禁輸措置を受けており、ベンガジからの新しい補給が来るのは時間がかかりました。反政府派はトリポリへの前進は遅く、苦痛だと言いました。
昨日修正しましたが、7日にガリヤンが陥落したと書いたのは間違いでした。ガリヤンはまだ陥落しておらず、反政府派はそこに向かっているところです。別のBBCの記事には、グアリシュはガリヤンから45kmのところにあると書かれています。wikimapiaでは、イフラン(kmzフィアルはこちら)の東側に似た地名があり、西グアリシュ(kmzファイルはこちら)が条件に合う場所であることが分かりました。 この東側に東グアリシュ(kmzファイルはこちら)があります。
ガリヤンの駐屯地の衛星写真がglobalsecurity.orgにあります(写真1・2)。7月1日の写真では駐屯地がすでに空爆を受け、いくつかの施設が破壊されていることが分かります。また、Google Earthでも2004年の 写真が見られます(kmzファイルはこちら)。ところで、ガリヤンのスペルは「Garyan」「Gharian」の他「Gharyan」があるようです。
あとは道なりに真っ直ぐ前進すればガリヤンに到達します。起伏はありますが、それほど険しい地形ではありません。ガリヤンを陥落させれば、その先は隘路になっており、反政府派の防衛に適しています。カダフィ軍は点在する幹線道路付近の住宅地などを利用して、反政府派の進撃を遅らせようとするでしょう。ガリヤンの近くになると住宅地が増え進撃はゆっくりとなります。NATO軍がどれだけ支援を行えるのかが問題ですが、イタリアの基地から遠いので、航空機が支援活動をする時間が短くなり、機体のやりくりが大変そうです。
ミスラタ方面も含めて、進撃に非常に時間がかかっている点が気になります。カダフィ軍の動きが鈍いことから、反政府派がさらに戦力が強化されれば進展がありそうです。
|