リビア暫定評議会が内閣を改造

2011.8.10


 BBCによれば、リビアの反政府運動の指導者、ムスタファ・アブドル・ジャリル(Mustafa Abdel Jalil)は、内閣として機能していた執行委員会を解散しました。

 これは先月、反政府派の軍事高官、アブデル・ファタ・ユネス(Abdel Fattah Younes)を殺したことへの対応だと広報官は言いました。反政府派の一部は彼の死について、同盟しているイスラム教徒の派閥を批判しました。アブドル・ハーフィズ・ゴーガ(Abdel-Hafiz Ghoga)はアルジャジーラに、国家暫定評議会のメンバーの一部に「不十分」な点があったと言いました。暫定評議会のファティ・ターベル(Fathi Turbel)は、ユネスの死をきっかけに「軍隊、治安、メディアの無能力さ」を修正するために、内閣改造が必要なのは明白だと言いました。

 広報官、シャムシディン・アブドルモラ(Shamsiddin Abdulmolah)は、内閣改造は人々の信頼を維持する「革命の成熟」の兆候だと言いました。「それは好ましいことです。暫定評議会は依然として最高権威です」。

 マームド・ジブリール首相(Prime Minister Mahmoud Jibril)は新しい内閣を作るよう要請を受けました。評議会のメンバーは、一部の大臣は再任されると言いました。

 ユネス将軍に関わる状況は不明ですが、暫定政権の高官、アリ・イサウィ(Ali Essawy)が逮捕状に署名したことが分かっています。ユネスの部族は、彼の死の完全な調査を要求しました。


 これは、ユネス将軍殺害に関係した執行委員を切り離すための方策でしょう。暫定評議会には、カダフィ政権にいた者が参加することを許容する者と、一切認めない者がいます。ジャリル代表は前者に属します。つまり、この内閣改造により、カダフィ政権にいた者を認めない派閥が革命から遠ざけられることになります。

 今後は、彼らが暫定政権の足を引っ張るようにならないかを注意していく必要があります。

 目下、暫定政権は先進国並みの情報公開の努力をしており、意外に感じると同時に、頼もしくも感じます。ある面では日本政府よりも誠実に情報を公開しているとも感じますが、これは民主的な世界を構築する上で期待が持てることです。



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