オバマ大統領が一匹狼型テロを警戒

2011.8.18


 military.comによれば、オバマ大統領(President Obama)は火曜日に、十年近く前の同時多発テロのような大掛かりな協調的な試みよりも、一匹狼型のテロ攻撃の方が可能性が高いと言いました。

 ニューヨーク市内とワシントン市市内、ペンシルベニア市郊外にハイジャックされた航空機が墜落した事件の十周年目の式典を行う国家的な準備と並んで、大統領は最高の警戒態勢にあると言いました。

 「いま、私たちが持つ最大の懸念は、大規模なテロリストの作戦ではありませんが、その危険は常にあります」と大統領はCNNのインタビューで言いました。

 「私たちが特に懸念する危険は、最近ノルウェーで見たような、大量殺戮を行える単一の武器を持った一匹狼のテロリストです」「ご存知のように、憎むべき思想に狂い、とりつかれた1人の人物を得た時、それらは大きな損害を生み出しかねず、こうした一匹狼の作戦を追跡するのは、とても難しくなります」。

 インタビューでオバマ大統領は、アルカイダの脅威が減退したとしながらも、政府は潜在的なテロ計画の情報を監視し、収集していると言いました。

 アメリカ人はいま核兵器や放射性物質、その他の驚くような事件を心配する必要はないかを質問され、オバマ大統領は「いいですか。合衆国大統領として、私はそのすべてを心配しています。でも、私はいま私たちが防がなければならない、最もありそうなシナリオは、大規模で周到に調整されたテロ攻撃よりも、より多くの一匹狼がいるということだと分かりました。私たちは今でもそれをトップに置いていなければなりませんし、決してガードを下げてはなりません。それは私たちの仕事の一部です」。


 記事には、先月ノルウェーで起きた銃撃・爆破事件、2009年のフォート・フッド基地の銃撃事件、2010年のタイムズスクエアの爆破未遂事件、2009年の旅客機爆破未遂事件が紹介されていますが、省略します。

 以前から、私は単独で行動する「孤独なテロリスト」が危険だと指摘してきましたが、やはり米政府もそういうテロリストを警戒していることが分かる記事です。

 折しも、フロリダ州タンパ市で17歳の男子高校生が爆弾を学校で爆発させようとして、逮捕されました。CNNによると、警察は内通者によって犯行計画を知りました。内通者の身元は公開されていません。恐らく、少年の友人が話を聞いて密告したのでしょう。

 一匹狼型のテロリストは、このように誰かが密告するとか、爆発物や武器を調達しようとして見つかる場合が多いのです。そういう兆候がないと、事件が起きるまで何も分からないという訳です。大統領は情報を集めていると言いますが、それですべての危険を探知できるのではありません。しかし、大統領としては、こう言うしか手がないのです。



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