テロの背後にアルカイダと中国が主張
military.comによれば、中国は月曜日、中国の新疆ウイグル自治区カシュガル市で起きたテロ事件について、犯人がパキスタンのイスラム過激派によって訓練されたと言いました。
カシュガル市で起きた週末の暴力事件で、死者は18人にのぼりました。ここは2009年に区都ウルムチ市でウイグル人と漢人の間で起きた戦いで約200人が殺されてから緊張が高まっていました。
カシュガル市は声明で、初期調査は日曜日の攻撃を行ったグループのメンバーは、隣国パキスタンにある「東トルキスタン・イスラム運動(the East Turkestan Islamic Movement)」に属する訓練基地で爆発物と火器の訓練を受けたことを示していると言いました。市当局ウェブサイトの声明はいかなる証拠も提示しませんでした。中国はグループがアルカイダと同盟していると言いました。パキスタンからの即時のコメントはありませんが、両国の親密な関係にくさびを打ち込むことはなさそうです。
日曜日、「武装したテロリストのグループ」がカシュガル市中心部にあるレストランを襲撃し、オーナーとウェイターを殺し、レストランに放火したと、市当局は言いました。攻撃者たちはレストランを出て無差別に市民を刺し殺し、4人を殺し、12人を負傷させました。警察は発砲し、容疑者4人を現場で殺し、容疑者1人はあとで病院で死亡しました。
新疆は、ウイグル人による民族紛争と暴力的な分離運動に悩まされてきました。彼らはほとんどが新疆を祖国とみなすイスラム民族グループです。多くのウイグル人は、より多数の漢人がこの地域に移動してきて社会の主流から取り残されたと言います。
地元当局は月曜日に、現場から逃げた地元のウイグル人2人に逮捕状を交付し、彼らの逮捕につながる情報に対して100,000元(16,000ドル)の懸賞金を出しました。
土曜日のカシュガル市の衝突は7人を殺し、22人を負傷させました。警察は、ナイフを持つ2人がトラックを乗っ取り、群衆に車を突っ込ませ、車を降りて歩行者を攻撃したと言いました。攻撃された人たちは反撃し、容疑者の1人が殺され、その他は捕まったと、新疆地区の治安当局者は言いました。当局者は事件が調査中で動機は不明だと言いました。彼女は中国当局で一般的なことで、名前を提供することを拒否しました。
ドイツに拠点を置く「世界ウイグル会議(the World Uyghur Congress)」の公報、ディルクサット・ラクシット(Dilxat Raxit)は、不満が街頭での抗議をウイグル人に強いていると言いました。「ウイグル人には中国政府に対抗する平和的な手段がなく、一部は過激な手法を使うようになりました。それは考えられないことですが現実です。北京はこうした問題に対処する責任を負うべきです」と、彼は拠点を置くスウェーデンからAP通信に言いました。
記事の残りは省略します。
犯人たちは人が集まるレストランを手始めに、漢人をできるだけ多く殺し、死ぬまで戦う、一種の自爆テロを実行するつもりだったと考えられます。テロの手法としては粗暴ですが、強烈な印象を残す手法です。日本の秋葉原で起きた路上での無差別殺人事件とは性質が違うと見るべきです。
中国が主張するように、アルカイダと関連がある東トルキスタン・イスラム運動が容疑者を訓練した証拠は未だに示されていません。今なら、アルカイダと言えば味方が作れる時代ですから、中国がそう主張するのも無理はありません。リビアのカダフィ大佐も同じことをしています。
しかし、これが事実である可能性は十分にあります。中国とパキスタンが国境を接していることを、私たちはよく自覚すべきです。オサマ・ビン・ラディンが死亡した住居からカシュガル市までは直線距離で630kmで、これは東京から青森県の能登半島までの距離と同じです。もっとも、昼間には険しい山があり、道はその何倍もの距離があり、山の中には水路もありますが、移動は可能なのです。この長い陸路に軍隊を常駐させて監視するのはほとんど無理です。
アルカイダは中国を欲しておらず、攻撃の対象にはしていません。しかし、中国の少数民族がアルカイダと提携する可能性は十分あります。ウイグル人はアルカイダの教義に共鳴することはなくても、戦力を得るための提携は厭わないでしょう。 しかも、ロシアにも少数民族問題があり、彼らもアルカイダと提携し得ます。中央アジアには、こういう地勢的な特質があります。
世界ウイグル議会のウェブサイトには、 2009年7月に起きた「7.5ウルムチ事件」で、1,500人のウイグル人が虐殺されたという記事があります(記事はこちら)。「ウルムチ大虐殺」の特集記事も参考になります(記事はこちら)。この対立は激化することが予想され、それはアルカイダには燃料として作用するでしょう。アメリカも、こういう展開には動きが鈍いでしょうから、阻止が遅れる危険があると見るべきです。
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