反政府軍がトリポリに侵攻

2011.8.22


 BBCによれば、リビアの反政府軍の車列がトリポリ中心部に入りました。彼らはほとんど抵抗に会わなかったようで、市民が彼らに声援を送るために外に出てきて、彼らがピックアップに乗って通過する時に祝砲を撃ちました。街で撮影されたビデオは明らかに緑の広場で反政府軍が祝っているところを示します。

 カダフィ大佐は再び彼らを打倒すると断言しました。

 反政府派は伝えられるところでは、2人の息子、サイフ・アル・イスラム(Saif al-Islam)とムハマッド(Muhammad)を拘束しました。

 カダフィ大佐は首都の中に数千人の武装した支持者たちと共にいると考えられていますが、他の報告は彼らの多くが反政府軍に降伏したことを示唆します。

 リビア情報大臣、ムーサ・イブラヒム(Information Minister Moussa Ibrahim)は、土曜日の正午(現地時間)からのトリポリ市内での戦いは、1,300人を殺害し、5,000人を負傷させ、病院が犠牲者に対処できないと言いました。

 反政府軍は数日の間にNATO軍の航空機の支援を受けて、東と西から前進しました。

 イギリス政府は土曜日の夜に「私たちがトリポリで目撃しているシーンから、カダフィの終わりが近いのは明白です。彼はリビア国民に対して恐ろしい犯罪を犯し、彼は国民にさらに苦しませるのを避けるために退陣しなければなりません」と言いました。英国務省は「明確にトリポリ攻撃が進行中です」と言いました。

 反政府軍の部隊が西方から入り、もう一つの部隊は東部郊外で検問所を準備していました。反政府軍戦士、モハメッド・アル・ザウィ(Mohammed al-Zawi)は、彼は街の西端ホット・シャール地区(Ghot Shaal)に入った十台以上の車列の中にいたと言いました。彼らは、長年に渡りカダフィ支持者の集結地だった「緑の広場」から約2kmにあるギルダシュ地区(Girgash)まで進み、屋根の上から狙撃兵の発砲を受けました。「神の思し召しがあれば、彼らは今夜、緑の広場に入るでしょう」と彼は付け加えました。後の報告は、反政府軍が実際に広場に到着したことを示しました。

 市内にいるBBCのマシュー・プライス(Matthew Price)は、明らかにトリポリ市内の一部で血なまぐさい戦闘があったと言いました。戦闘がない地域では、人々は屋内に留まっています。銃撃戦は外国人ジャーナリストが使うホテルの近くで荒れ狂いました。

 未確認の反政府軍の報告では、戦士の一団がミスラタから海路でトリポリに侵入し、土曜日から反政府派とカダフィ軍支持者が衝突している市東部のテジュラ地区(Tajoura)カダフィ軍と戦闘をしました。

 動乱は同部のソウグ・ジョマ地区(Soug Jomaa)とアラダ地区(Arada)でも報告されました。

 土曜日早く、トリポリ西部の反政府派は最精鋭部隊、ハミス旅団(the Khamis Brigade)の基地を確保しました。

 情報大臣は政府は非常に強力だと言いました。「我々には数千人の戦士がいます」と彼は言いました。彼はNATO軍が空軍力で支援する「武装したギャング」を非難し、土曜日の戦闘でさらに376人が殺され、約900人が負傷したと付け加えました。この数字は独自に確認されていません。

 イブラヒム氏は、カダフィ政権は反政府派の国家暫定評議会と直接交渉する用意があると言いましたが、土曜日遅くにカダフィ大佐は国営テレビでトリポリの反政府軍を「一掃」しろと訴えました。「どうしてあなたは首都、トリポリが再び占領下になることを許しますか?」「裏切り者たちがトリポリに派遣された占領軍のために道路を舗装しています」。

 暫定評議会議長、スタファ・モハメッド・アブドゥル・ジャリル(Mustafa Mohammed Abdul Jalil)は、カダフィ大佐が出国すると発表すれば、攻勢を停止すると言いました。

 サイフ・アル・イスラム(原文では「Said」と書かれていますが、誤記と思われます)の逮捕について、彼は「彼が司法の手に渡されるまで、厳重に監視して安全な場所に置いている」と言いました。彼は反政府軍は出国するまでカダフィ大佐と息子の安全な通行を提供すると言いました。


 まだ明白ではありませんが、カダフィの息子が逮捕されたことから、やはりカダフィ軍内部の反政府支持者が行動を起こしたように思われます。反政府派がザウィヤに迫ったので、遂に彼らが行動を起こし、キーマンであるカダフィの息子を拘束したのです。トリポリに反政府派の秘密組織があることは、BBCが以前に報じていました(過去の記事はこちら)。

 同時に、反政府派の部隊が一気に市内に入り、中心部を制圧しました。こうも早くに行動するためには、市内に手引きする者がいる必要があります。どこにカダフィ軍がいて、どこが手薄かといった情報を提供する者が必要なのです。これによって、カダフィ支持者の意気を挫き、首都陥落を確実なものにするのです。実によく計画された作戦だと言えます。

 数千人いるはずのカダフィ軍は僅かな抵抗しかできませんでした。カダフィ大佐が嘘をついていたことが証明されました。彼がいま、どうしているかは分かりません。トリポリにいるように見せて、逃亡したかも知れません。これについて、反政府派の態度が変化しているところが興味深いところです。以前は国際刑事裁判所に連れて行くといっていましたが、いまは出国を認めるつもりです。しかし、すでに逮捕した息子2人は裁判にかけるつもりのようです。カダフィには7人の息子がいて、ハミスはすでに死亡したとの説が出ています。残りの息子は助けると譲歩するつもりのようです。しかし、カダフィ大佐がこれを信用するかは分かりません。先日、拘束した反政府派幹部が暗殺されたように、暴走した反政府派により殺される危険を大佐は考えるかも知れません。この場合、ベニト・ムソリーニのように、死体が公衆の面前にさらされる危険があります。トリポリに残れば、最後は反政府派に捕まり、国際刑事裁判所で裁かれます。残る選択肢は、アドルフ・ヒトラー見たいに自殺することです。私は彼は自殺はしないと思いますが、名誉を保ち、名前を後世に残すにはこれしかありません。

 あまりにも早い展開で驚かされますが、リビア内乱はようやく終わりを迎えているところです。反省点は色々あります。でも、私は今夜、祝杯を挙げるつもりです。



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