ビン・ラディン急襲で逮捕はあり得ず
military.comによれば、オサマ・ビン・ラディン(Osama bin Laden)を殺害した急襲は、以前から彼を殺すことを意図し、生け捕りにすることはまったく選択肢になかったと、米海軍特殊作戦将校は言いました。
「彼を拘束するとか生け捕りにすることは、いかなる議論もありませんでした」と将校はニューヨーカー誌に述べました。「それは一瞬の決断ではありません。誰も抑留者を望みませんでした」。
この説明は急襲は「殺害または逮捕任務」だったというオバマ政権の主張と矛盾します。オバマ政権の対テロ責任者のジョン・ブレナン(John Brennan)は、急襲があった5月2日に、突入隊員は、彼が「体にIED(即製爆弾)」や「何か隠した武器」を身につけていないと確信できれば、ビン・ラディンを殺したいと思っていなかったと言いました。「彼を生け捕りにする機会があれば、我々はそうしていただろう」とブレナンは、この日、ホワイトハウスで記者に言いました。米当局者は、住居にいた者が誰も降伏しようとしなかったのは明白だと言いました。
ホワイトハウスは体面を重んじるので、殺害するだけの作戦だったと言い切るのは難しいのです。だから、拘束することもあったと述べたと、柔らかい表現を用いたと考えられます。もともと、特殊作戦では、目標の人物を拘束することは少ないので、このことは特に理解するのはむずかしくありません。
しかし、現代の技術を使えば、致命的な傷を負わせることなく、誰かを拘束することは可能です。散弾銃から発射するゴム弾でノックアウトするなど、非致死性兵器はいくつかあります。ビン・ラディンを合法的な裁判にかけることで、政治的な目標を達成すると米政府が考えるのなら、実行するのは可能だったでしょう。特殊部隊は最強部隊の証として、目標を全員殺害するのが当たり前と思っているように思われます。ビン・ラディンの生死に疑問が湧き起こったように、公開できる証拠が乏しいことは、長く問題として残ることがあります。アドルフ・ヒトラーの生死は長く疑問視されました。特殊部隊はほっておくと誰でも殺してしまうわけですから、ここは政治家がしっかりと指導する必要があるとも言えるわけです。
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