反政府派がズリタンに進撃

2011.8.3


 BBCによれば、カダフィ軍は西部のズリタン(Zlitan・kmzファイルはこちら)の近くで反政府派に反撃を始め、少なくとも反政府派7人が死亡しました。カダフィ大佐の息子、サイフ・アル・イスラム(Saif al-Islam)は、戦いはリビアが「解放」されるまで続くと言いました。

 ここ数週間、反政府はミスラタ(Misrata)からズリタンへゆっくりと前進していました。

 反政府派広報官はAFPに、反政府派はカダフィ軍の攻撃を受ける前に、市中心部を支配するためにズリタン内部へ前進したと言いました。「現在、ここではカダフィ軍と激戦となっています」と、ベンガジにいるアーメド・オマール・バーニ大佐(Col Ahmed Omar Bani)は言いました。彼は、反政府派と同じように、カダフィ軍の多くの兵士が死んだか拘束されたと言いました。病院関係者は、火曜日朝の戦闘で反政府派7人が殺され、45人が負傷したとロイター通信社に言いました。火曜日の数時間の戦闘後、現在誰が街を支配しているのかは不明です。

 バーニ大佐は、反政府派の拠点ベンガジで、カダフィ軍に同盟する民兵大勢を逮捕したとも言いました。当局者は、60人の暗殺リストを含む、反政府派の指導者メンバーに関する機密情報が載ったファイルを発見したとも言いました。

 月曜日、リビアのテレビ放送は、ベンガジから退去した家族に向けて挑戦的に話すサイフ・アル・イスラムを映しました。「我々がなしたすべての犠牲と我々の息子、兄弟、友人の殉教のあとで、我々が戦いを止めるとは誰も考えません。忘れることです」「NATO軍が撤退するかどうかに関係なく、戦闘はリビアが解放されるまで続きます」。サイフ・アル・イスラムはここ数週間、公の場で発言していませんでした。

 月曜日にラマダンの月に入りましたが、戦いは断食をよそに続いています。

 「断食は、ズリタン全体を解放するために暴君(カダフィ大佐)の旅団を打ち破るという我々の決心と決意を増やすだけです」と反政府派の戦前指揮官、フサム・フセイン(Husam Hussein)はAFPに話しました。


 反政府派の発言が本当なら、反政府派はあっさりとズリタン市内に入ったことになります。理想的には街の手前で防衛線を張りたいところでしょうが、それができなかったのなら、カダフィ軍は兵数不足や補給不足により、市内で抵抗する方を選んだのでしょう。戦術的に巧みなのではありません。情報は少ないものの、反政府派はズリタン占領に成功するように思われます。

 ズリタンの西方には川があります。Google Earthでは、画面左の「レイヤ」−「その他」−「水域」のチェックマークをオンにすると、川が青い線で表示されます。この川はかつては幅が広かったようで、川の周辺はくぼんで、緑地帯があるところもあります。防衛拠点になるので、反政府派はここまでを占領することを目標していると想像します。

 サイフ・アル・イスラムの発言は、ほとんど意味はありません。カダフィ軍はジリジリと追い詰められています。



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