リビア反政府派に戦争犯罪

2011.9.14


 BBCの記事で、ムスタファ・アブドル・ジャリル(Mustafa Abdul Jalil)氏が新生リビア政府が穏健なイスラムコムを目指すと演説した部分は国内で報じられているとおりなので省略します。バニ・ワリド(Bani Walid)やその他の街での戦闘の様子はごく僅かしか報じられていません。

 バニ・ワリドでは月曜日遅くに数百人の暫定政権軍が北の入り口を通って町に入り、ロケット砲の砲火と狙撃兵の銃撃に直面しました。平台のトラックが最前線の方へ戦闘員を運ぶ一方で、包囲された街から逃げる家族を運ぶ何台かの車が反対の方向から失踪しました。

 アムネスティ・インターナショナルによる暫定政権軍による違法な暴力行為についても書かれていますが、これについてはmilitary.comの記事から紹介します。

 アムネスティ・インターナショナルはリビアの暫定政権軍は不当な殺害と拷問を行ったと火曜日に公表される報告書で言いました。(元記事はこちら

 3ヶ月間の調査に基づいた100ページ強の報告書はカダフィ軍と暫定政権軍の犯罪を同等には描写しません(報告書はこちら)。カダフィ軍の犯罪はより大きく、それらのリストはより長く、人道に対する犯罪になり得ると報告書は言いました。しかし、それは暫定政権軍の犯罪も重要だと言いました。「国家暫定評議会(NTC)の指導の下で、緩く組織立てられた反対勢力支持者のメンバーも、場合によってはより小さな規模で戦争犯罪に達する人権侵害に関与しました」とアムネスティの報告書は言いました。

 4月から7月初旬までの間に、反対勢力支持者は1ダース以上のカダフィ支持派と治安当局者を「非合法的に殺害」しました。そして、反政府派がリビア東部を支配した直後、反政府派支持者の怒れるグループが処罰を受けることなく、大勢の捕虜にした兵士や傭兵と疑われた者を絞首するか、さもなくばリンチによって殺害しました。

 リビア暫定当局の司法長官、モハメッド・アル・アラギ(Mohammed al-Alagi)は反政府派の行動を戦争犯罪と描写することは間違っていると言いました。「彼らは軍隊ではなく、普通の人たちに過ぎません」とアル・アラギは言い、反政府派が間違いをしたことを認める一方で、彼は彼らを「まったくの戦争犯罪」と言うことはできないと言いました。

 さらに、報告書は両者が人種偏見と排外主義を扇動し、サハラ以南のアフリカ人は普通のリビア人に次第に攻撃され、略奪され、虐待されるようになりました。「2月に、カダフィが黒人を傭兵として使っているという噂がありましたが、これは間違っていました。アムネスティ・インターナショナル・ヨーロッパの事務局長、ニコラス・ベジャー氏(Nicolas Beger)は月曜日に言いました。「しかし、NTCは噂を抑えるために大したことをせず、いまサハラ以南のアフリカ人に対する沢山の報復があります。彼らがカダフィ軍に関係していたかどうかに関係なく、彼らは本当に、拷問や殺害のために、仕事場や家、街角から連れ去られる危険にさらされています。ベジャー氏は虐待は新しい政府の下でも続いていると言いました。「私たちは彼らが実力を行使したと認める警備兵とすら話しました」。彼らは『はい、我々は尋問をするため、武器を差し出すことを人々に強制するために実力を行使しました』と言います。これらは本当に統制される必要があります。これは新政権が本当に明確に行動しなければならない最優先事項の一つです」。

 報告書はカダフィ政権が関与したと伝えられる犯罪の広範囲なリストも掲載しました。支持者たちは大量の非武装の抗議者を殺害・負傷させ、批判をする者を消し、非合法のクラスター爆弾を用い、住宅地に対して大砲、迫撃砲、ロケット攻撃の攻撃を行い、法的な手続きなしに捕虜を処刑したと報告書は言いました。12歳の子供を含む数千人のリビア人が自宅、モスク、街角から拉致されました。

 アムネスティ・インターナショナルの報告は2月26日〜5月28日までにリビアでの実態調査に基づいており、7月末までの事件を取り上げました。


 バニ・ワリドからの情報は少なすぎます。一日中取材して、これだけとは思えません。指揮官に作戦の状況を聞くことはできないのでしょうか。映像もほとんどなく、これは戦況が思わしくなくて、記者が公報に留め置かれたままなのを連想させます。ロケット砲と狙撃兵が主な障害ならば、ロケット砲の発射機はNATO軍が空爆で攻撃し、暫定政権軍は狙撃兵の排除を受け持つことになります。それに時間がかかっているのだと想像できます。記事にはバリ・ワリドの衛星写真が掲載され、簡単な説明がつけられていますが、戦況を知るには不十分です。

 アムネスティ・インターナショナルの報告書は、本当に素晴らしい成果です。政府ではない、民間機関がこうした報告書を短時間で公表したことは、戦争の悲劇を防止するために本当に役に立ちます。司法長官のアラギ氏の発言が図らずも示しているように、こういう場合、政府自身による抑止力は本当に小さいのです。興奮して報復に走っている者たちを止めるのは、他部族の者が行う場合は余計に困難です。革命の勢いを維持するためには、そのような取締は積極的に行わない方が上手く行くのです。

 時間がないのでこれまでにしますが、ぜひ、こうした活動に関心を持ち、戦争という問題について考えてください。



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