湾岸戦争症候群の原因
military.comによれば、戦地派遣に関係のある病気にかかっている湾岸戦争の帰還兵は、彼らが勤務した場所によって異なる毒素にさらされたと報告書は言います。
前線に配備された兵士は彼らが与えられた抗神経ガスの錠剤に関連する病気を示した一方、後方の支援用員が多く遭遇した農薬は毒素だったとミッドウェスト研究所(the Midwest Research Institute)の報告書は示しました。
1990年の湾岸戦争に参加した帰還兵の約4分の1が頭痛、記憶と集中力の障害、持続的疲労、気分障害を含む症状を示しているとUSA Todayが報じました。戦闘地域に勤務した帰還兵は臭化ピリドスチグミン剤を飲みました。支援要員では病気の症状が農薬を制服や皮膚の上で用いた者に普通にみられました。神経ガスと抗神経ガスと殺虫剤は同じ化学族の中にあり、似た方法で身体に影響を及ぼすと、研究の著者、ベイラ—大学(Baylor University)のリー・スティール(Lea Steele)は言いました。「これら2つの被曝について、すでに証拠は増加しています」と彼女は言いました。「すべての研究をひとつにすると、あなたは極めて一貫したパターンを見始めます」。
湾岸戦争症候群の原因については、すでにこの記事で言うようなことが主張されていました。
しかし、この記事に関連して、Wikipediaで「湾岸戦争症候群」を検索したところ、そうした最新の研究成果がまったく反映されていないことに気がつきました。以下に該当部分を引用します。
だが、神経ガスの防御用に強制投与された試薬や生物兵器用の予防接種、油田の火災や大量の石油流出による大規模環境汚染、米軍が戦車の砲弾や装甲材に大量使用した劣化ウランによる放射線被爆など、他にも様々な原因が挙げられた。
が、しかしこれらの暴露はどれも原因や病気に結び付けるには無理があり(たとえば神経ガス対策に投与された薬は臭化ピリドスチグミンという重症筋無力症の治療薬であり、この薬を投与された人で同様の症状が起こっているという報告はない。他の説も同じである)、疫学調査は暴露集団において原因となる物質への明確な暴露も、これらの人々の間における死亡率の増加も見出していない。
また症状が上記のように、注意力低下や記憶障害、不眠、鬱、頭痛等の客観的に判断しにくいものが大半を占め研究を難しくしている。
まるで湾岸戦争症候群は単なる心気症だとでも言いたげな内容です。一体誰が書いたのか知りませんが、これは戦争直後の見解に過ぎません。
ところが、同じ項目の英語版の解説文は、劣化ウランを除いて、臭化ピリドスチグミン、神経ガス解毒剤、有機リン化合物軍用農薬などは湾岸戦争症候群と関連があるとしています。まさに、この記事と合致する内容です。
一般的にWikipediaの日本語版の軍事に関係する項目の内容は十分なレベルに達していません。英語版と比べると、内容が軍事オタク趣味に偏り、彼らの関心がある項目、つまり兵器や階級などしか日本語記事が載っていないのです。重要でも、彼らに関心のない項目は放置されています。しかも、武器の解説にはそれらが登場する小説や映画、アニメのリストまで載っています。なぜ、このような解説が必要なのか、私には理解ができません。「萌え」系軍事オタクは日本固有の文化で、海外の軍事記事では見かけないものです。しかし困ったことに、日本ではこの種の人たちが軍事マニアの一般的な姿なのです。
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