暫定政権軍が西からシルトに突入

2011.9.27


 BBCによれば、暫定政権軍は初めて、東からシルト(Sirte)に突入しました。

 兵士たちは市の東部郊外からじわじわと前進し、カダフィ軍とロケット砲を撃ち合いました。この前進は暫定政権軍が西から攻撃して交替した2日後に起こりました。

 シルトにいるアラステア・ライトヘッド記者(Alastair Leithead)はシルトから逃げる民間人は、ほとんどが脅えており、暫定政権軍の兵士は、彼らが街から思い切って出て行くと、喉を切り裂くだろうと話していました。特派員は残っている民間人が激しい戦闘に巻き込まれて危険が増すと言います。

 暫定政権軍は土曜日に西から市の中心部に非常に近くまで到達しましたが、撤退を余儀なくされました。シルトは広範囲に広がった街で、戦闘は大砲と戦車の砲撃、NATO軍の空爆により長距離で行われました。

 バニ・ワリド(Bani Walid)周辺では戦闘が続き、ある暫定政権軍指揮官は最終的な戦闘が2日間以内にあると予測していました。「この朝から、我々はカダフィ軍を重砲、戦車、対空機銃で休まずに攻撃しています」と指揮官のモハメッド・アル・サディク(Mohamed al-Seddiq)は言いました。「激しい抵抗に遭っています。それが今まで重砲を用い、歩兵を送れない理由です」。

 アルジェリアの新聞「エル・カバー(El-Khabar)」は月曜日、カダフィ支持派のグループ、おそらくはアイシャ(Aisha)を含めて、エジプトに出国したと報じました。エジプト当局はその報道を否定しました。

 一方、国連はリビアで武器とその他の物資の貯蔵の安全が確保される必要があると警告しています。国連の政策分野のトップ、リン・パスコー(Lynn Pascoe)は安全保障理事会に、地対空ミサイルや化学兵器を含む最新型の兵器に関して統制が確立されなければならないと言いました。彼は化学兵器の貯蔵物の破壊が、査察官が出国した2月に停止したと言いました。先週、暫定政権軍は核兵器に使われるウラン鉱石の粉、イエローケーキの貯蔵物を発見しました。


 東側から攻撃している間に、撤退した西側の部隊を再編成し、次の突入に備えていると思われます。バニ・ワリドを含め、こうした突入と撤退を何度か繰り返していくと、街は陥落するものです。今日の報道を見ても、時間の問題である点は変わりません。

 逃亡したカダフィ一家の行方について、新しい情報が出ています。時間が経てば真偽がはっきりするはずです。彼らの動向は、彼らがリビアの権威に復権しようとして、どんな手を打ってくるかという視点で見なければなりません。



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