バニ・ワリドの和平交渉が決裂
ワシントン・ポスト紙が反政府派とバニ・ワリド(Bani Walid)のカダフィ支持派との交渉は決裂し、反政府派は攻撃の準備をしています。
数千人の反政府軍は最も近い部隊が街の中心部から15kmに置いて、バニ・ワリド(Bani Walid)を包囲しています。反政府軍は平和的な降伏を交渉しようとしましたが、バニ・ワリドの部族長は交渉を行き詰まらせたと非難しました。
反政府軍指揮官、モハメッド・アル・ファシィ(Mohammed al-Fassi)は土曜日に交渉は終了したと言いました。反政府軍は土曜日遅くに攻撃を開始すると言いました。(この記事は現在、さらに修正されていて、ここで紹介している内容と異なっているようです。ここに紹介したのは初期版の記事です)
バニ・ワリドでは戦闘が避けられなくなりました。この記事にはシルト方面のことは書いていませんが、和平交渉が継続中と推測します。
バニ・ワリドの地形をGoogle Earthで確認してみてください(kmzファイルはこちら)。この付近は、かつて河であった低地で仕切られています。街の中心部にはその低地が土地を南北に分けています。まるで、ミニ・バグダッドです。反政府派は街の中心部に進出して、その機能を喪失させるのが作戦の目標となります。しかし、北半分を占領するのは容易くても、低地を進撃すれば、敵の攻撃にさらされます。守備側は北半分を放棄しても、低地を防御拠点として使い、眼鏡に抵抗しようとするでしょう。
反政府派は街中心部にかかる橋を奪取したいところですが、まともに進撃すれば大きな損害を出します。そこで、さらに5.5kmほど東にあるもう1つの道路を奪取し、南半分に軍を進出させ、挟撃しようとするでしょう。守備側はその辺くらいまでは手筋を読めるので、両方の占領をできるだけ遅らせようとするでしょう。
NATO軍は市民への被害を避けるために空爆を控えようとするでしょうが、攻撃が可能なものについては容赦しません。低地は幅が少なくとも350m以上あり、反政府軍が対岸にいる限りは誤爆を防げる距離を持っています。反政府派も迫撃砲などで敵陣を攻撃するのがやりやすいので、南側に対して威力偵察を繰り返し、敵の位置を確認して砲撃する戦術を繰り返すでしょう。
街の西端には空港があります。ここにNATO軍の輸送機で反政府派を強行着陸させるような方法もあり得ます。トリポリの空港はすでに安全でしょうから、NATO軍が基地として活用できます。滑走路の南東に武器庫のような巨大な掩蔽壕もあり、ここも含めて、街を西側から脅かせば、守備側はパニックに陥ります。
様々な方法を併用し、守備側にどれが主攻かを確信させないのが戦術の要諦です。
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