イスラエル軍の無人機がテスト中に墜落

2012.1.31


 military.comによれば、イスラエル軍がイランまで飛べる無人機がイスラエル中部で実験飛行の最中に墜落したと発表しました。

 この事故の怪我人はなく、事故は調査中です。ヘロンTP無人機(Heron TP drone)は、アイタン(Eitan)としても知られています。翼幅は26m(ボーイング737と同じ)で、イスラエル軍で最大の無人機です。ヘロンTP無人機は偵察、通信妨害、地上管制と友人航空機との中継を行えます。発射できる弾頭を搭載しているかは明らかではありません。

 別のmilitary.comの記事は、イラン国営テレビは移動する目標を正確に攻撃できるレーザー誘導砲弾を生産していると言いました。

 国防大臣アフマド・ヴァヒデ大将(Defense Minister Gen. Ahmad Vahidi)は、砲弾が自分で目標を識別できると言います。報道は砲弾を発射する大砲の一部と続いて砂漠の中での爆発が続く映像を伴いました。砲弾の仕様の詳細は報じられず、独自に確認できませんでした。オラン軍は時折、兵器の製造とテストについて報じます。


 イスラエル軍のヘロンTP無人機は実在する兵器です。Wikipediaにはそのページがあります(該当ページはこちら)。この事故はイスラエルにとって、イランを威嚇するためにも役立ちました。

 しかし、イラン軍の移動目標を狙い撃ちできて、独立して目標を識別する砲弾は疑問です。大砲の砲弾は普通、固定した目標を撃つものですが、車両や兵隊の隊列のように拡散した目標ならば、移動していても砲撃できます。しかし、移動している車両を直接狙うのはほとんど無理です。まして、自分で識別できるとは思えません。精々、熱源へ向けて飛んで行くようにできるくらいです。



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