イスラム中傷中将の朝食会出席を退役軍人が批判
military.comによれば、退役軍人グループはイスラム教を中傷した退役将官をウェストポイント校の祈祷・朝食会に招待しないように要請しました。
退役軍人グループ「VoteVets.org」はレイモンド・オディエルノ大将(Gen. Raymond Odierno)に、月曜日に公開した書簡の中で、ウィリアム・G・ボイキン退役中将(Lt. Gen. William G. Boykin)が来週の米軍のアカデミーで話すのを許されるのは、陸軍の価値観と相容れず、イスラム教の候補生に対して無礼であると言いました。
ボイキン中将はブッシュ政権中、情報当局者として務めました。2003年、彼はテロリズムとの戦いを、サタンとキリスト教徒との戦いと表現し、イスラム教徒が偶像を崇拝していることを示す声明を出しました。ボイキン中将は2007年に退役しました。ウェストポイント校はすぐにコメントしませんでした。
アメリカは科学的な価値観だけでなく、宗教的な価値観が幅をきかせる国でもあります。
公開中の「J・エドガー」は、初代FBI長官が異常なまでに悪を憎み、そのためにあらゆる個人情報を集め、死ぬまで秘密を守り通す姿が描かれています。彼にとって悪とは、非キリスト教徒や共産主義者、ギャングであり、その他に、自分が悪だと感じた者なら大統領も疑いました。リンドバーグ愛児誘拐事件では犯人を逮捕して死刑にしますが、現在では犯人は別にいたという見方が有力です。つまり、誤認逮捕だった訳です。この異常な思い込みがもたらす、様々な混乱と迷惑が作品では描かれます。
こうした人物は現在でもいます。ブッシュ政権のチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官にその傾向が見られ、ブッシュ大統領自身にもその特徴が感じられます。米軍の中にも、テロリズムとの戦いを宗教観の争いと区別できない人たちが大勢いると考えなければなりません。
しかし、今回は退役軍人グループが理性を示したのです。ウェストポイント校がどう対処するかが気になるところです。
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