戦争権限法は民間人を守れるか?

2012.1.6
追加 同日 17:35


 military.comによれば、最近承認された2012年度の防衛予算の下で、米国防総省は国内のテロ容疑者を永遠に防ぐ力を持ちます。

 政治家や連邦当局者が、国防権限法(the National Defense Authorization Act)が、米国内でテロ行為を行う容疑者を米国民を含めて拘束することを米軍に承認するという懸念に関わらず、最高指揮官は国防権限法を承認することで2011年を終わらせました。

 FBIのような連邦機関は、この新法が犯罪捜査を邪魔し、現在の国内対テロ活動の成功を危うくしかねないという懸念を表明しました。米国自由人権協会(The American Civil Liberties Union)は、国防権限法が国に関係なく、どの戦場からも、あらゆる人を不明確な理由で拘束することを承認すると疑問を呈します。

 国防総省と陸軍は高速の条項が日々の活動にどんな影響を及ぼすかをコメントするのを嫌いました。国防総省広報官のトッド・ブレスシール陸軍中佐(Lt. Col. Todd Breasseale)は、「大統領がすでにこのもんだについて述べたことで満足しています」と言い、12月31日に国防権限法が署名した時にホワイトハウスが公表したコメントを引用しました。

オバマ大統領のコメント

 「私は、私の政権が裁判を行うことなしに米国民を不明瞭な理由で軍隊が拘束することを承認しないと明らかにしたい。私は、そうすることは国家としての最も重要な伝統と価値観を捨てると確信します。私の政権は、第1021条があらゆる拘束も合衆国憲法、戦時国際法、その他の適用できる法律を順守して承認ことを保証すると解釈します」

 国防権限法の第1022条は、軍が米軍の使用が承認された地域で敵対行動中に捕まった非民間人の拘留者に適用しようとしています。オバマ大統領は、行政機関がすでに似た状況でアルカイダのメンバーを拘束できるのだから、この条項を不十分だと述べました。

 「私は第1022条は国家の安全を守るために最小限の条件に合致した柔軟性しか持っていないと結論しました。具体的に言うと、私は第1022条が行政機関にそれを実行する方法を決定する広範な承認を、あらゆる軍の拘束要件を撤回する完全で制限のない能力を与えていて、るという理解の下に、この法案に署名しました」とオバマ大統領は書きました。

 米国自由人権協会はオバマ大統領は新しいガイドラインを軍が活用することを認めないかも知れないものの、将来のホワイトハウスは文字通りに追随するかも知れないと言います。「米国民を軍が拘束することは、憲法違反で非合法です」と同協会の国家安全保障プロジェクトの責任者、ハイナ・シャムシ(Hina Shamsi)は言いました。。米国民の個人の権利を引き下げない限り、戦時法はアメリカの対テロ政策で重要な役割を果たしているとシャムシは言いました。同協会は再定住や本国送還のために、グアンタナモベイ収容所から外国への無実の拘留者の転送を制限する国防権限法の文言にも反対する予定です。そうした規定はグアンタナモベイ収容所の閉鎖をさらに難しくすると同協会は言いました。「テロ容疑者を起訴すべきでないという者はここにはいません」「戦時法と人権の提唱者としてのアメリカの世界的評価がこうした法律によって大幅に減らされてはなりません」とシャムシは言いました。


 条文やその他の法律を見ないと十分な判断はできそうにありませんが、簡単に書いてみます。

 すでに戦地では米軍はテロ容疑者を拘束しています。それを、国内でも犯罪者として軍が逮捕できるようにしようという主旨のようです。逮捕してFBIに引き渡すということなのか、軍が捜査を行うという意味なのかは分かりません。しかし、逮捕するという以上、捜査も認めるということなのでしょうか?。これはアメリカの伝統を大きく損ねることになります。

 また、米国内の法執行機関にすると、内偵中のテロ容疑者を軍が逮捕してしまう恐れがあります。だから、法執行機関はこの法律を懸念するのです。

 この問題は映画『マーシャル・ロー』で描かれました。拙著『ウォー・ムービー・ガイド 映画で知る戦争と平和』で解説しています。言うまでもなく、この作品でも軍の犯罪捜査には否定的な見解です。

 この法律はもう少し内容を精査してみたいと思います。



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