M4A1への置換にコルト社が抗議
military.comによれば、コルト社(Colt Defense LLC)が2度目の抗議を提出し、米陸軍特殊作戦軍用のM4小銃を配備する計画に障害が発生しました。
陸軍がM4小銃をM4A1小銃へアップグレードすることにコルト社が抗議したのは、この5ヶ月間で2回目です。コルト社は陸軍がレミントン社(Remington Defense)がM4A1小銃を製造するよう選択したことと、コルト社へのロイヤリティの計算間違いに関して勝訴しました。政府説明責任局は7月24日に、陸軍にベンダーが新しい価格入札を出せるように競争範囲を調整するよう裁定しました。関係するすべての銃器メーカーは、公正さを期するために、8,400万ドルの契約のために、過去の価格入札を明らかにするよう求められました。その後、コルト社は10月9日、コネチカット州の銃器メーカーが陸軍から9月21日の改善要求を受け取った3週間後に、政府説明責任局に抗議を提出しました。コルト社はこの件についてコメントしていません。
軍高官が2008年11月にM4小銃の代替品を探す計画を公表して約1年後、陸軍はM4小銃を改善する計画をはじめました。最初、M4製品改善計画当局は議会に、高速射撃間の性能を向上させるために銃身をより重たくするようなアップグレードの可能性、より設計の信頼性を高めるために現在のガス式システムを変更すること、トリガーの改善、発砲の制御を向上させ、両方の利き手に対応するためにレールを改善することを含めて説明しました。約3年後、この努力から生まれた改良型の小銃はM4A1です。
現在陸軍はM4小銃のガスシステムの信頼性を向上させる計画はありません。武器担当局はボルトとボルトキャリア群をアップグレードすることを考えていましたが、それは断念しました。この段階で11社が競合していました。一年のテストの後、数社が残りました。多くのベンダーは現在のボルトとボルトキャリアを上回ることはありませんでした。競技者が本当に足りなかったのは、信頼性、耐久性、高温と低温の状況でした。これらすべての分野でM4A1のボルトは性能を上回りました。ボルトを変更しないことで200万ドルの節約になります。
陸軍は前部レールの改良も考えていました。武器担当当局は2014年初期に3社を選択し、その年の秋までに1社を決定する計画です。
陸軍はこの夏、6,000丁のM4A1を第101空挺師団に配備しました。群は来夏、現行のM4小銃を特別な転換キットと共にM4A1へアップグレードしはじめる計画です。
どの会社も政府契約に抗議する権利があります。抗議が提出されると、政府説明責任局が決定を下すまで、プロセスは停止します。同じ問題に関する追加の抗議は普通、同じ程度の重みはなく、プロセスが先へ進むことを妨げません。しかし、陸軍はこの問題はM4A1の契約が与えられる前には解決されなければならないと言いました。「当局は普通、抗議が解決される前に契約を与えません」と陸軍TACOMライフサイクル管理部の広報官、ドン・ジャロス(Don Jarosz)は言いました。
少し前の記事ですが紹介します。記事の一部は省略しています。
コルト社は要するに、設計だけでなく、製造も自社に任せて欲しいと言っているわけで、そのために抗議を提出したのです。もともと、M4小銃を設計したコルト社は、製造がレミントン社にもっていかれると損をすると考えているのです。
銃器メーカーにとって、軍隊は最良のお得意さんで、そこと契約を結ぶためには何でもやります。実際、武器メーカーは契約が取れないと、倒産する場合があるのです。
抗議書は法律家が考えた難しい表現で一杯でしょうが、要するに、こういうことです。
それでも、日本と比べると、武器選択の過程はまだしも明らかです。米軍としては、民主主義国の威信にかけて、できる限りオープンにしたいという面があるわけです。しかし、その一方で、オスプレイの選定に関する数々の性能の誇張や事故隠しが起こるように、企業や軍の利益が見え隠れする分野でもあることを頭に置いておきましょう。日頃から、こうしたニュースを目にしていれば、防衛大臣が1回試乗したり、空自の検証チームをアメリカに派遣したくらいで、オスプレイの安全性が分かるはずがないことは、火を見るよりも明らかなのです。
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