シリア停戦は完全に失敗
BBCによれば、停戦の4日目に、シリアのダマスカスで自動車爆弾事件があり、少なくとも10人が死亡したと国営メディアが報じました。
国営テレビは南東部のジャラマナ地区(district of Jaramana)での攻撃の犠牲者の中に、女性と子供がいたと言いました。それより前、活動家は政府のジェット機が北東部のハラスタ(Harasta・kmzファイルはこちら)を爆撃したと言いました。
人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights: SOHR」によれば、土曜日に少なくとも110人(民間人39人、反政府派兵士34人、政府軍35人)が殺されました。
ベイルートにいるBBCのジム・ミュアー(Jim Muir)は、金曜日の朝に施行された4日間の停戦以来、シリアで敵対的行動が本当に止まったことはないと言いました。月曜の朝、人権活動家がインターネットに投稿したビデオ映像は、政府の航空機がハラスタを爆撃したらしいことを示しました。映像は人びとが瓦礫を掘り起こし、その場所から逃げるところも見せました。
後に、国営メディアはテロリストグループが自動車爆弾を、キリスト教徒とドルーズ派(シリアとレバノンの山岳地方の独立宗派)がほとんどの、ジャラマナ地区のパン屋の外で爆発させたと報じました。政府は爆弾が41分を負傷させ、大損害を引き起こしたと言いました。反政府派のネットワークである地域調整委員会は、自動車爆弾が警察署を狙ったように見えたと言いました。
反政府派のグループ「the Syrian Revolution General Council」によれば、夜通し、シリア軍は南部の郊外、アル・ハジャル・アル・アサド(al-Hajar al-Aswad)の反政府派の拠点を攻撃し、爆発音がカダム(Qadam)の近くで聞こえました。
SOHRは報告は公正ですが、情報は確認できないと言います。
別の動きとして、月曜日に、シリア兵と反政府派が国境沿いのハリム(Harim)で戦う間に、トルコ軍が南部ハタイ州(province of Hatay)のベサスラン村(Besaslan)の近くに砲弾が落ちた後に反撃したと、国営メディアが報じました。10月3日にトルコ人5人が殺害されてから、トルコ軍はすべての越境砲撃に反撃しています。
記事は一部を紹介しました。ブラヒミ特使のコメントも虚しいだけなので省略します。
この記事で停戦が完全に崩壊している様子が確認できました。
ダマスカスでの戦闘はいずれも郊外で起きており、ハラスタは市の北にあり、北部に向かう交通の拠点です。首都で戦闘が起きていることから、停戦の無効化は説明を要さないということになります。110人という土曜日の死者の数も同様です。
もう停戦のことは忘れるべきでしょう。冬の備え、民間人をどう保護し、紛争を終わらせる方法にこそ、集中力を投じるべきです。結論から言えば、どうやってアサド大統領を追放するかということです。ロシアを訪問中のブラヒミ特使は新提案を構想しているようですが、 これがアサド大統領のロシア亡命と関係があるかどうかが気になっています。実は、これこそが最短で、唯一の紛争終結法です。アサド大統領は名誉を保ったまま退位し、ロシアで余生を過ごせます。紛争は終結し、平和が訪れるのです。中東と北アフリカに広がった民主化の動きが、いよいよ定着化するという、国際政治が安定へ向かう道筋が一つつくことになります。
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