イギリスもシリア反政府派を承認の見込み
BBCによれば、イギリスのウィリアム・ハーグ外務大臣(Foreign Secretary William Hague)が、シリアの反政府派指導者に会う前に、彼らを初期段階のシリア国民の代表と認めたいと言いました。
ハーグ外務大臣は、彼らがシリア全土の本物の支持を勝ち取り、民主的な未来に関与することを確信すると言いました。金曜日の会議で、イギリスは新しい同盟にシリアの政治移行について明確なプランを示すように迫ります。見返りとして、イギリス政府はこのグループを合法的な反アサド派として公式の承認を検討しています。イギリスは反政府軍への武器提供を許可するために、武器禁輸を解くことも要求できます。
反政府派の指導者、アハメド・モアズ・アル・ハティブ大統領(President Ahmed Moaz al-Khatib)と副大統領のリアド・サイフ(Vice-Presidents Riad Seif)、スハイル・アル・アターシー(Suhair al-Atassi)は、ロンドンの外務省でハーグ大臣と会合を開いています。
BBCのジェームズ・ロビンス記者(James Robbins)は、イギリスは、彼らがアサドを倒したら、人権と包括的な政府を任せられるかを評価し、試したいと思っていると言います。会議に先立ち、ハーグ大臣は彼らが人権を尊重し、政治的な包括性を促進し、国際法を守っていることに希望を与えられたと言いました。彼は議会での声明で、イギリス政府は彼らを唯一のシリア国民の合法的代表と認めるかという問題を決めますが、初期の段階でこうすることを熱望していると言いました。「私はイギリスがその手順を踏む前に、彼らに自分で会いたかったのです」「我々はすべてのコミュニティを含むことについて保証を必要としています。我々は、承認という重要な手順を踏むのなら、彼らがシリア全土からの本物の承認を得たことを知る必要があります」「我々は事実の完全な掌握の下と彼らとの対話に基づいて、それを行うべきです。この会議はその重要要素で、我々はここ数日間にわたりこれについて作業をし続けるでしょう」。
ハーグ大臣は、木曜日のイギリスの国家安全保障評議会で、シリアの状況について、「重大かつ悪化している」と言いました。オプションは除外されなかったものの、イギリスは人道的支援を提供しながら、政治移行のプロセスの一部である交渉による解決をまだ最優先事項としていると彼は言いました。「一方の軍事的勝利は人名の観点では、長期で高くつくプロセスです。我々の最優先事項は外交的、政治的解決を達成することのままです……」「我々は傍観するだけとか、彼らをそのままに放置すると言うだけではいられませんが……我々の対応は正確に判断され、よく考え抜かれなければなりません」
他の選択肢は、反アサドグループを武装させ、シリア国内に民間人を守るための国連の安全地帯を作ることだと伝えられています。ハーグ大臣は月曜日にブリュッセルのEU外相会議でフランス外務大臣と会います。
なお、時事通信によれば、ニューヨーク・タイムズ紙が米高官の話として、内戦下のシリアに介入し、同国保有の化学兵器を確保するには7万5000人もの兵力が必要になるとの見通しを、国防総省がオバマ政権に伝えました。
記事は一部を紹介しました。
イギリスが乗り気になったことが確認できたので、この問題は理想的な方向に向けて動き出したと言えます。それにしても、昨日、ここで書いたことをハーグ外相がそのまま認識しているとは驚きでした。
イギリスの判断が一歩遅れるのは、やはり大陸から切り離された島国であるからでしょう。地続きのフランス、国際法の父であるフランスの方が動きは早いという点で、ヨーロッパらしい展開です。
安全地帯の話は、以外に早くに動き出す可能性も出てきました。ここでトルコ軍の存在意義が急速に大きくなります。
なんとなくですが、動きが急速に展開する基盤ができたという感じがしました。今後1ヶ月で、軍事的な動きが見えてくるかも知れません。
化学兵器の捜索に7万5000人が必要との国防総省の見解は妥当なところです。やっと、まともな軍事的勧告ができる政治環境になったようです。同時多発テロ直後には冷静な軍事的勧告がなされず、対テロ戦で大きく失敗したという問題がありました。やはり、冷静な大統領がいれば、部下も冷静でいられる訳です。リビア内乱の時、ごく少数のイギリス特殊部隊が化学兵器を探しているという馬鹿げた報道がありましたが、少数部隊では探せるわけがありません。オバマ政権はこの勧告を受けて、軍隊の派遣は決断しないでしょう。別の方策で現実的な選択肢を探ることになります。
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