ブラヒミ特使がシリアのソマリア化を警告

2012.11.7


 BBCによれば、国連・アラブ連盟特使ラハダル・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)が、危機がすぐに終わらないと、シリアは新しいソマリアに変わりかねないと言いました。

 アル・アヤ紙(al-Hayat)とのインタビューで、ブラヒミ氏は、崩壊した国が残した空洞に軍閥と民兵が入り込むシナリオを警告しました。一方、イギリスのデイビッド・キャメロン首相(Prime Minister David Cameron)は、アル・アラビヤTVに、アサド大統領が流血を終わらせるのなら安全な出国を提供する支援をすると言いました。


 記事はもっと長いのですが、肝心の部分だけ紹介しました。

 ブラヒミ氏の見解は当たっていないと思います。ソマリアと違い、シリアには石油などの資源があり、国の体制さえ整えば、やっていける状況にあります。自由シリア軍という、核になる組織があり、比較的団結しています。問題はアサド一族だけで、彼らが出国すれば、それ以外の部分は何とかなる国なのです。ソマリアは資源に乏しく、飢饉にも直面しています。豊かな国になるには、何か大きな変化が必要です。

 ブラヒミ氏は調停がうまく行かないので、危機を強調することで、協力を得ようとしているのだと思われます。しかし、こうした問題で、こういうやり方はうまく行くとは思えません。現実に即していないやり方は、失敗するだけです。



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