放尿事件の海兵隊員に軽微な処罰

2012.12.25


 military.comによれば、アフガニスタンでタリバン兵の死体に放尿し、写真にポーズを取った米海兵隊員に対して、海兵隊は軍事裁判が木曜日に発表した刑を縮小する決定をしました。

 海兵隊広報官、ショーン・ギブソン大佐(Col. Sean Gibson)は、リチャード・ミルズ中将(Lt. Gen. Richard Mills)が軍事裁判が開かれる前に、ジョセフ・W・チャンブリン2等軍曹(Staff Sgt. Joseph W. Chamblin)が受ける刑は最大で500ドルの減給と3等軍曹への降格とすることに同意しました。

 事前の同意を知らなかった裁判官は、禁固30日間、拘束60日間、6ヶ月間500ドルの減給、罰金2000ドル、軍曹よりも給与等級が低い伍長への降格という、より厳しい判決を出しました。

 ギブソン大佐は処罰がミルズ中将が裁判の前に設定したものに限られると言いました。ミルズ中将は戦闘開発コマンドの指揮官です。

 同じ事件のエドワード・W・デプトラ2等軍曹(Staff Sgt. Edward W. Deptola)の裁判は係争中です。


 シリアや北朝鮮の問題に比べると、ほぼお笑いの域の話題となってしまいますが、以前に取り上げた放尿事件について、海兵隊が罪を軽減する決定を下しました。海兵隊は仲間を置いていかないことで有名ですが、それは裁判でも変わらないようです。

 裁判官の判決は尊重するものの、チャンブリン2等軍曹のこれまでの国家と海兵隊への貢献に免じて、罪を減じるというわけです。海兵隊一家のこの意識は、この事件に関してはよしと思いません。

 確かに裁判官の判決は厳しすぎますが、軽減された処罰は軽すぎると感じます。この中間くらいが妥当だったように思われます。

 これらは軍法上の問題ですが、この事件の本質自体は重大です。米兵のではなく、アメリカ人の第三世界への差別意識を形にしたものだと言えるからです。


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