シリアの憲兵隊指揮官が離反

2012.12.27


 BBCによれば、シリア軍の憲兵隊指揮官、アブドルアジズ・アル・シャラル中将(Lt Gen Abdulaziz al-Shalal)がアサド政権を離反して、トルコに逃げたと伝えられています。

 シリア軍はシリア人を守ることができず、殺人者の群れに転じたと、中将はビデオ声明の中で言いました。

 トルコ国境を越えた後、シャラル中将は、シリア軍がシリア人を守らず、町や村で大虐殺を行ったので離反したという声明を発表したと伝えられています。「シリア軍が国家を守るという根本的な任務を逸脱し、殺人者と破壊者の群れへ転じたので、私は離反を宣言します」と、彼はビデオメッセージの中で言いました。

 反政府筋は、シャラル中将は最初から秘密裏に反政府派と協力していたと言ったと、BBCのジム・ミュアー(Jim Muir)は言いました。

 シャラル中将は監視のレベルが上がったので、離反はよりむずかしくなっていると言いました。「間違いなく、離反を望みながら、離反を宣言するには適さない状況にある別の高官がいます」と彼は言いました。

 匿名のシリア治安筋は、彼の離反を認めましたが、その重要性は低いと言いました。シャラル中将はすぐに引退することになっており、英雄を演じるために反乱に加わったと関係者は言ったとされます。

 北部のラッカ州(province of Raqqa)で政府軍が砲撃を行い、8人の子供を含む20人が死亡しました。反政府派はトルコ国境に近い北西部の町、ハレム(Harem・kmzファイルはこちら)を占領しました。


 これは大きな出来事です。憲兵隊指揮官なら、軍の内部に通じています。

 最初から反政府派に通じていたという点も重要です。これまでのシリア政権内部に対するテロ攻撃は彼の手引きだった可能性すらあります。さらには、他にも離反したがっている高官がいると述べた点は、政権内部に疑心暗鬼を増幅します。アサド大統領も身内を信じられない状況に陥っています。

 中将が退役間近だから離反は重要ではないという見解はあたっていません。中将はギリギリまで反政府派に情報を流すという任務を完遂し、見事、脱出にも成功したのです。スパイとしてはこれは最高の出来映えというべきなのです。

 元記事には映像もアップロードされているので、ご覧ください。


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